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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんの楽しい夏
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大きなたきで大はしゃぎの小助くん

 小助は、水しぶきを上げながらとびこむとすぐに池の中から顔を出して手をふっています。


「みんな見て見て! ここにいるよ!」


 川の中とはちがって、ここはそこに足がつかないほどのかなりふかい池です。この池にうっかりおちてしまうとおぼれて死んでしまうかもしれません。


「ぼうや! ここはあぶないからすぐもどって!」


 お母さんグマのしんぱいをよそに、小助ははじめての池でパシャパシャとおよいだりしながらたのしんでいます。池の中には、川と同じようにいろんな魚がいます。


「わあ~い! お魚もいっぱい! お魚もいっぱい!」


 小助は、自分もお魚になりきったつもりで池の中をおよいでいます。さらにおよぎつづけると、はげしい水の音に小助も思わず池の中から顔を出しました。


 ものすごく高いところからながれおちる大きなたきのすがたは、小助も声を出すことができません。それでも、小助は大きなたきへ入ろうと池の中へもぐってふたたびおよぎ出しました。


「ぼうや! そっちへ行ったらダメ!」


 小助がしんぱいでたまらないお母さんグマやお母さんオオカミですが、子グマやちびっこオオカミをここへおいたままでたすけに行くわけにはいきません。お母さんたちは、小助がぶじにもどってくることをいのるばかりです。


 しかし、小助はどうぶつのお母さんたちの声はまったく聞こえません。なぜなら、たきのながれおちる音が大きすぎるからです。


 大きなたきの下へやってやってきた小助は、つぎつぎとおちてくるたくさんの水にうたれています。夏のあつさがつづく中、たきにながれおちる水しぶきをあびる小助は気もちよさそうです。


「わ~い! わ~い!」


 大きなたきの水しぶきをあびるたびに、小助はキャッキャッとかわいいえがおを見せています。すっかり気に入った小助は、大きなたきのそばからはなれようとしません。


 そんな時、小助はいつも耳にする声がかすかに聞こえてきました。


「ぼうや! ぼうや!」


 お母さんグマの声を耳にした小助は、あそぶのをやめてすぐに池の中をおよぎながらもどることにしました。小助は、ずっと池の中でおよぎつづけるいろんな魚をうらやましそうに見ています。


「いいなあ。いっちょ(いっしょ)におよぎたいなあ……」


 池のほとりへもどると、クマのお母さんがすぐに小助をだきしめてくれました。お母さんグマは、小助のことをずっとしんぱいしていたからです。


 そんな小助は、たきのそばで水しぶきをあびたり、池の中をおよいだりとたのしかったことをかわいい声で言っています。


「ふふふ、ぼうやはこの池がすっかり気に入ったのね。でも、くれぐれもしんぱいをかけたらダメだよ」

「うん!」


 お母さんグマは、自分の子どもと同じくらいかわいい小助のことが大すきです。そばにいる子グマたちも、お母さんグマがやさしくだきしめています。


 そんな時、ちびっこオオカミがお母さんオオカミのおっぱいをのんでいるところを目にしました。じっと見つめる小助のすがたに、お母さんオオカミが声をかけてきました。


「ぼうや、どうしたの?」

「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、こっちへおいで」


 小助は、げんきな声でおっぱいのおねだりをしています。このようすに、お母さんオオカミは小助におっぱいをあたえることにしました。


 あお向けになった小助は、お母さんオオカミのおっぱいをのみつづけています。でも、小助のおねだりはこれだけにとどまることはありません。


 お母さんオオカミのおっぱいをのんだばかりなのに、こんどはお母さんグマのところへやってきました。そこで、小助は子グマたちといっしょに大きな声でおねだりしようとしています。


「かあちゃ! おっぱい! おっぱい!」

「あらあら、ぼうやはまだおっぱいがほしいのかな?」

「うん! うん!」


 こうして、小助は子グマたちといっしょにお母さんグマのおっぱいをのむことになりました。クマのお母さんは、これだけおっぱいをのんでいる小助のかわいい顔を見ながらやさしく見つめています。


 おっぱいをいっぱいのんだ小助は、あそびつかれたので岩の上であお向けになってあんよを上げています。そのようすを見ようと、お母さんグマが小助のそばによったその時のことです。


「ジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョ~ッ」

「ふふふ、ぼうやはおしっこもげんきいっぱいなんだね」


 小助はおっぱいをたくさんのんだので、おしっこのほうも上のほうまでいきおいよくとび出しています。げんきいっぱいのおしっこをしながら、小助はキャッキャッとかわいいえがおを見せています。

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