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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんの楽しい夏
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雨の中であそんでもへっちゃらだよ!

 今日はあいにくの雨です。小さな家がある山おくのほうも、水たまりができるほどの雨がふりつづいています。


 これだけ雨がふっていても、小助は外であそぼうと引戸をあけて外へ出てきました。


「わあ~い! 雨だ! 雨だ! 雨だ!」

「小助くん、雨がふっているから外へ出たら……」


 お母さんは小助を引きとめよう顔を出しましたが、小助はすでに森のほうへ向かって山道を走りつづけています。


 どんなに雨にぬれても平気な小助は、森の中にある水たまりを見つけるとそこに足を入れて大はしゃぎしています。水たまりであそぶ小助のすがたに、ほかのどうぶつたちもすぐにそばへやってきました。


「わあっ! ぼくもいっしょにやりたい!」

「いっちょ(いっしょ)! いっちょ! いっちょ!」


 大きな水たまりに入ってきたのは、2ひきの子グマです。小助と子グマたちは、水たまりがとびちっても気にすることはありません。どろんこがいっぱいついても、空からふりおちる雨できれいにしてくれます。


 小助たちがあそぶ水たまりは1つだけではありません。あちこちにある水たまりを見つけると、小助は子グマたちといっしょにどろんこになったりはしゃいだりしています。


 そのようすを見ていたちびっこオオカミたちは、自分たちもあそびたくなったのですぐにやってきました。


「いっしょにあそぼう!」

「うん! あちょぼう(遊ぼう)! あちょぼう!」


 水たまりの上では、小助とちびっこオオカミがじゃれあっています。雨がふりつづく中であっても、小助たちはどろんこまみれで楽しくあそんでいます。


 草むらからのぞき見しているお母さんグマやお母さんオオカミも、むじゃきに楽しむ子どもたちをやさしい目で見つめています。


「ふふふ、どろんこだらけになるのが大すきなんだね」

「どんなによごれても、雨ですぐにきれいになるんだもの」


 水たまりでパシャパシャしながらびしょぬれになったり、どろんこまみれでおすもうごっこをしたりと、小助たちは雨の中でもいろんなあそびをしながら楽しんでいます。


 そして、雨の中で楽しんでいるのは小助たちだけではありません。


「ケロケロッ! ケロケロッ!」

「わあっ! カエルだ! カエルだ!」


 小助の耳に入ってきたのは、カエルたちのなき声です。カエルのすがたを見ようと、小助たちはなき声の聞こえるほうへかけだして行きました。


「カエル! カエル! どこどこ?」


 小助たちは、カエルを見ようと草むらをかけ分けながら進んでいきます。そんな時、川のながれる音が耳に入ってきました。


「わあ~っ! カエル! カエル! カエル!」


 小さい生きものを早く見ようと、小助たちは川のほとりまでやってきました。すると、岩かげにカエルが何びきもいるのを見つけました。


「見て見て! カエル! カエル!」


 げんきな声でさけんだ小助のすがたに、クマとオオカミのお母さんたちも草むらから出て川のほうへやってきました。


「ケロケロッ! ケロケロケロッ!」


 そこにいるのは、カエルのなき声のまねごとをしている小助のすがたです。川のほとりにいるカエルがとびはねると、小助も同じようにピョンピョンとびはねています。


「ぼうや、カエルのまねをするのがとっても上手だね」


 小助がカエルになりきっているのを見て、子グマたちもカエルのまねをするようにピョンピョンとんでいます。あいかわらず雨がふりつづいても、小助たちはげんきな声を上げながらむじゃきにあそびつづけています。

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