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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんの楽しい夏
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おねしょしちゃった

 ある夏の日、山おくにある小さな家から聞こえてくるのは朝からいつもげんきな小助の声です。


「かあちゃ、見て見て!」

「あっ! 小助くん、きょうもやっちゃったんだね」


 小助のかわいい声を聞いたお母さんは、おふとんを見ながらえがおでやさしくほほえんでいます。お母さんが見ているのは、小助がやってしまったでっかいおねしょのおふとんです。


「てへへ、おねちょちちゃった(おねしょしちゃった)」


 小助はまだ2才なので、まいにちのようにおふとんにおねしょをやってしまいます。どうやら、今日もゆめのなかでこわいばけものの顔におしっこをめいちゅうさせてしまったようです。


 お母さんは、そんな小助にやさしく声をかけています。


「小助くんはまだ小さいし、おねしょするのは当たり前だものね」


 ものほしにやってきたお母さんは、小助がやってしまったおねしょぶとんをほしています。そのとなりには、おねしょでぬれた小助のはらがけがほされています。


 新しいはらがけをつけた小助は、おねしょぶとんのよこにたちながらえがおを見せています。あれだけのおねしょをえがくのは、小助がいつもげんきであるりっぱなしょうこと言えるものです。


 そんな時、森へ向かう道を歩くクマの親子のすがたが見えてきました。小助がいることに気づいた子グマたちは、いそぎ足でかけ出してきました。


「小助くん! いっしょにあそぼうよ!」


 子グマたちは、小助といっしょにあそぶのが大すきです。小助のいるところへやってくると、ものほしにほされているおふとんとはらがけをじっと見ています。


「わ~い! おねしょだ! おねしょだ!」

「小助くん、今日もおねしょしたの?」

「えへへ、おねちょちゅごいでちょ(おねしょすごいでしょ)」


 小助は、子グマたちの前で自分のおねしょをえがおでじまんしています。すると、子グマたちが顔を赤らめながら何か言おうとしています。


「じ、じつは、ぼくたちもおねしょを……」


 子グマたちは、はずかしそうなようすでおねしょしちゃったことを口にしました。そこへやってきたのは、子グマたちのお母さんです。


 お母さんグマの手にもっているのは、ほらあなでねるときにつかうしきものです。


「ふふふ、こんなにみごとなおねしょをしたのはだれかな?」


 子グマたちの前で広げたしきものには、2つのおねしょがえがかれています。どうやら、2ひきの子グマも小助と同じようにおねしょをしてしまったようです。


「わあ~っ! ちゅごい(すごい)! ちゅごい!」

「えっ、そうなのかなあ」


 小助は、子グマたちのおねしょを見ながらピョンピョンとびはねるようによろこんでいます。さいしょはとまどっていた子グマも、しだいにいつものえがおにもどりました。


 そんな小助に、お母さんはおねしょぶとんのそばでほほえみながらこう言いました。


「でも、おねしょのでっかさでは小助くんにまけそうだね」

「で、でへへ」


 顔を赤らめながらもえがおを見せる小助のすがたに、ほかのみんなのわらい声が青空までひびきわたっています。

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