小助くんのお手つだい
小助は、いつものようにお母さんの畑しごとのお手つだいをしています。
お母さんが木ぐわで畑をたがやす前に、小助がいつも行うことがあります。それは、小助がいつもげんきであることをお母さんに見せるためです。
畑の手前でしゃがみこんだ小助は、その場で声を上げながらふんばりつづけています。
「ううんっ! ううんっ! うううんんんんんんん~っ!」
このようすを見ているお母さんは、小助のげんきなすかたにほほえんでいます。
「かあちゃ! うんこ出た! うんこ出た!」
「ふふふ、今日もいっぱいうんこが出たね。これも、小助くんがすききらいせずに何でも食べるおかげだよ」
畑の上には、小助がしたばかりのでっかくてげんきなうんこがのっています。これだけあれば、畑のこやしとして木ぐわでたがやせそうです。
「かあちゃ! おイモ! おイモ!」
「小助くん、今からたがやすからちょっとまっててね」
お母さんは、畑の上にあるこやしを木ぐわで土といっしょにたがやしています。そのとちゅうで、小助は畑のそばにあるイモをもってきました。
「かあちゃ! かあちゃ!」
「それなら、畑の中にイモをうえようかな」
小助は、はりきって手にもっているイモを畑にうえていきます。大すきなイモがみのるのを楽しみにしているのは、小助だけではありません。
「ここにうえたイモが早く大きくなるといいね」
「おイモ、大きくなあれ! 大きくなあれ!」
畑に向かってかわいい声を上げる小助のすがたに、お母さんもやさしい顔つきで見つめています。
畑にイモをうえるのがおわると、こんどは水くみのお手つだいです。小助は右手と左手におけをそれぞれもつと、クマの親子が教えてもらった川へ向かってかけ出しました。
「小助くん、気をつけて行かないといけないよ」
お母さんのしんぱいをよそに、小助は森の中へげんきよく走って行きます。川があるばしょは、森のとちゅうにある草木をかき分けてすすんだところにあります。そこは、魚が見えるほどのきれいな川です。
「わあっ! 川だ! 川だ!」
小助は、川の中へ入ってパシャパシャさせながら水あそびをはじめました。そして、川のふかいところでよごれたおしりをきれいにあらっています。
もちろん、お母さんのお手つだいをわすれることはありません。小助は、川の水をおけの中に入れようとしています。
「うわ~い! お魚! お魚!」
水をくんだおけには、イワナやアユといった魚がおよいでいます。お魚は、お母さんといっしょに食べるばんごはんにぴったりのおかずです。
そんな時にやってきたのは、クマのお母さんと子グマたちです。2ひきの子グマは、桶の中にいるお魚たちをじっと見たままはなれようとしません。
「ぼくたちもお魚を食べたいなあ」
小助が水をくんだおけの中に魚がおよいでいるようすに、子グマたちはうらやましそうです。これを見た小助は、おけの中からとり出したイワナやアユを手にしています。
「お魚あげる! お魚あげる!」
「もらってもいいの?」
「いいよ!」
小助は、子グマたちにお魚を手わたしました。子グマは、今日のばんごはんが手に入ったので大よろこびです。
このようすを近くから見たお母さんグマは、すぐに小助のそばへやってきました。
「ぼうや、お魚をくださって本当にありがとうね。なにかほしいものがあれば、なんでも言ってごらん」
小助は、やさしく声をかけてくれるお母さんグマにいつものおねだりをすることにしました。
「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」
「ふふふ、やっぱりおっぱいがのみたいんだね。ぼうやはいつもげんきいっぱいだもの」
お母さんグマは、おっぱいをたくさんのみつづける小助のかわいい顔をやさしく見つめています。小助も、お母さんグマのやさしいえがおにあんしんしています。
でも、ここへきたのはお母さんから水くみをたのまれたからです。家にいるお母さんをしんぱいさせるわけにはいきません。
「あちたもまたあちょぼう(明日もまたあそぼう)! またあちょぼう!」
「こんどは、いっしょに水あそびをしようね」
小助は子グマたちとあそぶやくそくをすると、水をくんだおけをもってお母さんのいる家のほうへもどって行きました。




