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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと山おくの秋

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小助くんとはじめて出会った人げんの男の子

 いつもとちがって、山おくの森の中はうすぐらい雲におおわれて雨がふりつづいています。そんな中にあっても、小助は元気いっぱいに森に向かって走っています。


「わ~い! みじゅたまり(水たまり)! みじゅたまり!」


 小助は、水たまりを見つけるとすぐに自分で足ぶみしながらパシャパシャしています。どんなに雨がふっていても、小助はいつもはらがけ1まいなのでへっちゃらです。


 すると、小助のそばに色のちがうはらがけをつけた男の子があらわれました。その男の子は、まだ2さいの小助とくらべて一回り大きな体つきをしています。


「ぼうや、どうして雨なのに外にいるの?」

「みじゅたまり! みじゅたまり!」


 はじめて顔を合わせる男の子の前であっても、小助は水たまりでの足ぶみをやめようとはしません。雨の中で楽しそうにあそんでいる小助のすがたは、男の子のほうにもそのままつたわっています。


「ぼうや、近くに雨やどりをしてくれるところがあれば」


 どうやら、その男の子は人げんがくらす家をさがしているようです。これをきいた小助は、すぐに古びた小さな家に向かって行きました。そこは、小助がお母さんといっしょにくらしている家です。


「かあちゃ! かあちゃ!」

「小助くん、早く帰ってきたのね」


 小助は、いつも朝から夕方まで森の中やたきのほうでほかのどうぶつたちといっしょにあそびます。これは、雨の日も雪の日も同じです。


 それだけに、小助がいつもよりもだいぶ早く帰ってきたのでふしぎそうな顔を見せました。でも、お母さんがふしぎに思ったのはそれだけではありません。


「あら? はじめて見る子だわ」


 すると、その男の子はすぐに自分の名前をこたえました。


「ぼくの名前は里吉! よろしくね!」

「里吉くんって、りっぱな名前だね。年はいくつかな?」

「9つ!」

「もしかして、山の中を1人で歩いてきたの?」

「うん! でも、山へ入ってから雨がふりつづいていて……。そうしたら、ここにいる小さい子と出会ってここへやってきたの」

「ふふふ、この子は小助という名前だよ。まだ小さいけど、外へ出ていつも元気にあそんでいるわ」


 お母さんと里吉が2人で話しているのを見て、小助も自分のことをつたえようと元気な声で名前を言い出しました。


「こちゅけ(小助)! こちゅけ! こちゅけ!」

「小助くんはいつも元気いっぱいだなあ」

「うん!」


 小助は、ひさしぶりに人げんの子どもといっしょになるのでとてもうれしそうです。里吉も、かわいい小助のしぐさをじっとながめようとだっこをすることにしました。


「里吉くん、小助くんをだっこできるかな?」

「大じょうぶですよ。小さい子をだっこしたことはなんどもあるから」


 里吉が手なれたようすでだっこしてくれるおかげで、小助はキャッキャッとかわいい顔でわらい声を上げています。こうして、小助は新しい友だちとなった里吉のことが大すきになりました。

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