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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
あつい夏はみんなで大ぼうけん
341/343

海の中で出会った小助くんとエイたち

 小助をのせた大きなウミガメは、少しずつふかいところを目ざしてすすんでいます。海にいる生き物を見るたびに、小助はかわいいえがおで大よろこびしています。


「わ~い! おちゃかな(お魚)! おちゃかな!」

「はっはっは! ぼうやはお魚を見るのが大すきだなあ」

「うん!」


 ウミガメは、小助のうれしそうな声に耳をかたむけながらもぐりつづけています。海草には、小助が見たことのない魚があつまっています。


「このお魚はどういう名前かな?」

「おちゃかな! おちゃかな!」

「ここにいるのは、メジナとアイゴというお魚じゃ。これらのお魚は、海草を食べて大きくなるのじゃ」

「メジナ! アイゴ! メジナ! アイゴ!」


 小助は、はじめて見るお魚の名前をなんどもしゃべりながらおぼえようとしています。大きなウミガメは、かわいい小助の声を聞いてうれしそうな顔つきを見せています。


 さらにすすむと、ひらべったい生き物のすがたがしだいに見えてきました。小助は、ゆらゆらとおよぐ生き物をふしぎそうにながめています。


「ねえねえ! ねえねえ!」

「ぼうや、どうしたのかな?」

「あれなあに? あれなあに?」

「向こうにいるのは、エイというお魚じゃ」

「おちゃかな?」

「ひらべったいように見えるけど、あれもお魚なのじゃよ」


 小助は、大きなウミガメから教えてくれるエイのことをもっと知りたくなりました。エイがおよいでいるすがたを見ながら、小助はウミガメに元気な声でおねだりをしています。


「エイにのりたい! エイにのりたい!」

「はっはっは! ぼうやはいろんなお魚にのりたいんだね」

「うん! のりたい! のりたい!」


 ウミガメは、近くにいるエイに小助をのせてもいいのか話しかけることにしました。すると、エイはかわいい小助のすがたをやさしい目つきで見つめながら口をひらきました。


「こんなところに人間のかわいい子どもがいるわ」

「いっしょにのってみようよ」

「うん! エイといっちょ(いっしょ)! エイといっちょ!」


 こうして、小助は大きなウミガメからエイのほうへのることにしました。ウミガメは、エイにのった小助へ声をかけています。


「ぼうや、気をつけていくのだぞ」

「うん!」

「わしもぼうやがもどってくるまでここでまっているぞ」


 小助は、ウミガメに手をふりながらエイといっしょに海の遠くのほうへ向かいました。しかし、広い海にはやさしくむかえる生き物がいるだけではありません。


「おちゃかな! おちゃかな! おちゃかな!」

「ぼうや、海を見るのが楽しいかな?」

「うん! たのちい(楽しい)! たのちい!」

「でも、この先にはおそろしいのがいるから気をつけないとダメだよ」


 エイたちは、どんな生き物がおそろしいのかよく知っています。そんな中にあっても、小助はエイのせなかから見るふかい海の中を楽しそうにながめています。

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