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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
あつい夏はみんなで大ぼうけん
337/343

小助くんとケモスケくんのうんこ、どっちがでっかいかな?

 池から上がった小助は、いいにおいがしてきたので山のてっぺんからみんながあつまっているところへもどることにしました。すると、かいじゅうたちもどうぶつたちもたき火のほうをじっとながめています。


「ねえねえ! 何ちているの(何しているの)? 何ちているの?」

「ふふふ、イモをこのたき火でやいているところだよ」


 たき火でやいているのは、かいじゅうたちがはたけでそだてたでっかいイモです。小助のとなりにいるケモスケは、自分のイモがやけるのを今から楽しみにしています。


「小助くん、イモを食べるのがすきかな?」

「大ちゅき(大すき)! 大ちゅき!」

「やきイモ、やきイモ、食べたいなあ~」


 小助もケモスケも、やきイモができるのをまちながらいっしょに歌っています。そうするうちに、お母さんかいじゅうはたき火からやきイモをとり出すことにしました。


「ケモスケ、こんなにでっかいやきイモだけど食べられるかな?」

「大じょうぶ! ぜんぶのこさずに食べるからね!」


 ケモスケは、ばけものみたいにでっかいやきイモを大きな口にほおばりながら食べています。そして、かいじゅうのお母さんは小助にも大きなやきイモを手わたしました。


「わ~い! やきイモ! やきイモ!」

「ぼうや、やきたてのイモはおいしいかな?」

「うん! おいちい(おいしい)! おいちい!」


 お母さんかいじゅうは、大すきなやきイモをおいしそうに食べている子どもたちをやさしいえがおで見つめています。子グマたちもちびっこオオカミたちも、やきイモを食べようといっしょうけんめいになっています。


 そんな時、一足先にイモを食べおえたケモスケがおしりをおさえながら足をバタバタさせています。お父さんかいじゅうは、このようすにきづくとすぐに声をかけましら。


「もしかして、うんこが出そうなのか」

「う、うんこが出る……」

「おなかのちょうしがいいし、早くうんこをしておいたほうがいいぞ」


 ケモスケは、近くの木のそばでしゃがむとすぐにおなかに力を入れながらなんどもふんばっています。このようすを見た小助たちも、ケモスケのとなりにならんでいっせいにしゃがみました。


「うんっ! うんっ! ううううううううう~んっ!」


 やがて、ケモスケも小助もすっきりとした顔つきで立ち上がるとじめんのほうを自分たちの目でじっと見ています。そこには、でっかくて黄色いうんこが2つもならんでいます。


「ケモチュケ(ケモスケ)くん、うんこでっかい! うんこでっかい!」

「小助くんのうんこもでっかいけど、それよりもぼくのほうがでっかいね」


 じめんにならんでいるうんこは、ケモスケのほうが小助よりも一回りでっかく見えます。さらに、よこのほうにずらっとならんでいるのはほかのどうぶつの子どもたちによるうんこです。


「ふふふ、みんな元気なうんこがいっぱい出たね」

「うんこが出るのは、おなかのちょうしがいいしょうこじゃ」

「元気なうんこ! 元気なうんこ!」


 かいじゅうのお父さんとお母さんがうんこのことをほめてくれたので、小助もケモスケもとてもうれしそうです。子どもたちの明るいわらい声は、青い空に向かってひびきわたっています。

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