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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
あつい夏はみんなで大ぼうけん
334/343

山道のとちゅうで出会ったしば犬の親子

 池の向かいがわへたどりつくと、小助は元気いっぱいに山道をかけ足で上がっていきます。子グマとちびっこオオカミのほうも、小助においつこうといっしょうけんめいになっています。


 後ろからは、クマのお母さんや、オオカミのお父さんとお母さんが子どもたちのはしゃぐようすをやさしく見まもっています。


「ふふふ、子どもたちはいつも元気いっぱいだね」

「いつも元気なのは、おっぱいをたっぷりのんでいるからだわ」


 山の中の道を一気にすすむ子どもたちですが、この先にはおそろしい犬たちが何びきもひそんでいる草むらがあります。


「この先にはおそろしい犬がいるから、みんな気をつけて!」


 お母さんグマは、かいじゅうたちのいるところへ行くとちゅうにどうもうな犬たちがひそんでいることを知っています。これを聞いた子グマたちは、すぐにクマのお母さんのところへひきかえしました。


 そんな中、オオカミのお父さんとお母さんはちびっこオオカミのそばへやってきました。オオカミは、えものをさがす時にいつもむれを作りながらうごいています。


「ここからはぐれたらダメだぞ」

「あたしたちがちゃんとまもってあげるから」


 オオカミたちは、小助といっしょに山道をゆっくりと歩いています。すると、小助が耳をすませながら草むらのほうを見回しています。


「あっ! そっちへ行ったらダメ!」


 オオカミたちはすぐにさけび声を上げましたが、小助はその声を聞くことなく草むらの中へとびこんで行きました。


「ぼうやはあいかわらずこわいもの知らずだなあ」


 お父さんオオカミは、小助をたすけ出そうといそいで草むらに向かってすすんでいます。草むらの中では、オオカミのお父さんにとっておどろきをかくせない小助のようすが目に入ってきました。


「ま、まさかここで犬のお母さんのおっぱいをのんでいるとは……」


 小助は、小さい子犬2ひきといっしょにしば犬のお母さんのおっぱいをのんでいます。お父さんオオカミは、あお向けになっておっぱいをのんでいる小助のかわいいすがたをじっとながめています。


 しかし、近くの木にはどうもうな犬が草むらにいる小助と犬の親子へおそいかかろうとかまえています。これに気づいたオオカミのお父さんは大きな声で小助にさけんでいます。


「あの木におそろしい犬が……」


 小助は、おっぱいをのんでいるとちゅうでふり向くと目の先にどうもうな犬がとびついてきました。これを見て、小助はあお向けになったままでおそろしい犬の顔をあんよでもちあげています。


「こっちへにげて!」


 オオカミたちは、どうもうな犬からにげるしば犬の親子を山道のほうへあんないしています。


 どんなにおそろしいあいてであっても、小助はいつものかわいいえがおを見せています。そして、どうもうな犬がきばを出して小助をかみつこうと大きな口をあけたその時のことです。


「ジョパジョパジョパジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」

「わっ! 何をしやがるんだ!」


 小助は、元気いっぱいのおしっこをどうもうな犬の顔にいきおいよくめいちゅうさせています。どうぶつたちのおっぱいをたくさんのんだおかげで、おそろしい犬をあいてにおしっここうげきを食らわせています。


「このチビめ! おぼえてろよ!」

「またあちょぼう(あそぼう)! またあちょぼう!」


 おくのほうへにげるどうもうな犬を見ながら、小助は手をふってまた会うのを楽しみにしています。草むらから出ると、さっき出会ったしば犬の親子とまた顔を合わせました。


「ぼうや、どうもありがとうね。これからどこへ行くの?」

「あっち! あっち!」

「ここから山道をさらにすすむんだね。ぼうや、いっしょについていってもいいかな」

「うん!」


 こうして、しば犬の親子はほかのどうぶつたちとともに小助の後をついて行くことになりました。小助は、大すきなケモスケに早く会おうとけわしい山道を元気にすすんでいます。

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