表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
どうぶつたちとなかよしの小助くん
332/343

田うえと田んぼの生きもの

 小助は、お母さんよりも一足早く田んぼの中へやってきました。田んぼには、オタマジャクシがげんきよくおよいでいるのが見えます。


「わ~い! オタマジャクシ! オタマジャクシ!」

「ふふふ、小助くんはいろんな生きものを見るのが大すきだね」

「うん!」


 お母さんは、生きものへのやさしい心をもっている小助にほほえみながら声をかけています。


 この田んぼへやってきたのは、小助とお母さんの2人で田うえをするためです。お母さんのきものには、なえを入れた竹かごをくくりつけています。


「田うえ! 田うえ! 田うえ!」

「それじゃあ、これからいっしょに田うえをしようかな」


 お母さんは、もう1つの竹かごになえを入れるとそれを小助の体にくくりつけています。こうして、小助のほうのじゅんびがおわるといよいよ田うえのはじまりです。


「うんしょ! うんしょ! うんしょ!」


 小助は、田んぼの中へなえを1本ずつうえようといっしょうけんめいになっています。そのようすを、1ぴきのこん虫らしき生きものが水めんで見ています。


「かあちゃ! かあちゃ!」

「小助くん、どうしたの?」

「これなあに? これなあに?」


 お母さんは、水めんをうごいているこん虫をじっと見ている小助にやさしい声をかけています。


「これは、あめんぼというこん虫だよ」

「あめんぼ?」

「このあめんぼは、田んぼの水の上をすいすいとうごき回っているのよ」

「わあ~っ! ちゅごい(すごい)! ちゅごい!」


 小助は、あめんぼが田んぼの中でうごくようすを見て大はしゃぎしています。田んぼは、小さな生きものにとっても思いのままにうごくことができるばしょです。


 そんな生きものたちに見まもられながら、小助たちは田んぼになえをうえつづけています。小助の耳には、大すきなカエルの鳴き声が入ってきました。


「ぼうや、田うえをがんばっているわね」

「カエルちゃん! カエルちゃん!」


 小助は、大すきなカエルたちに声をかけられたのでとてもうれしそうです。そして、小助は田うえをしながらカエルになり切って鳴き声を上げています。


「ケロッケロッケロッ! ケロッケロッケロッ!」

「ふふふ、小助くんはカエルたちが大すきだね」

「うん!」


 こうして、小助とお母さんがいっしょに行ったおかげで田んぼになえをぜんぶうえることができました。


「秋になったら、おいしそうなおこめがたくさんできるからね」


 お母さんが田んぼのほうをながめている間、小助は水めんにいる生きものたちをじっと見つめています。そこには、おたまじゃくしやカエル、そしてあめんぼが小助の目の前にあつまってきました。


「おたまじゃくし! あめんぼ! カエルちゃん! これからもいっちょ(いっしょ)だよ!


 小助は、田んぼのほとりから生きものたちのようすを見るとお母さんとともに家のほうへ向かって帰って行きました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ