森の中のこん虫たちのふしぎ
小助は、ワン太といつものように森の中へやってきました。森の中には、いろんな草花がたくさんさいています。
「わあ~っ! てんとうむち(てんとう虫)だ! てんとうむちだ!」
草花をじっと見つめると、そこにははっぱやくきのうえをすすむてんとう虫のすがたがあります。そのすがたを見るたびに、小助は大はしゃぎしています。
すると、クマの親子が小助たちのそばへやってきました。子グマたちも、色あざやかなてんとう虫を見るのがとてもうれしそうです。
「ここにいるてんとう虫はどんな色をしているかな?」
「赤い! 赤い!」
「みんな、よく知っているわね。では、赤いてんとう虫には黒い点がいくつあるかな?」
お母さんグマは、子どもたちにてんとう虫のことを分かりやすく教えています。小助たちも、てんとう虫がどういったうごきをするのかこの目でじっとながめています。
そんな時、てんとう虫がはねを広げて花から花へととびうつるようすに子どもたちはびっくりしています。
「てんとうむちとんだ! てんとうむちとんだ!」
「ふふふ、てんとう虫はもっと高いところまでとぶことができるよ」
てんとう虫のふしぎなうごきを見ようと、小助たちはかわいい声を上げながら行ったりきたりしています。でも、森の中にはいろんなこん虫がいます。
「わ~い! ちょうちょうだ! ちょうちょうだ!」
小助の目に入ってきたのは、白いちょうちょうのすがたです。ちょうちょうが大すきな小助は、そのうごきに合わせるようにかけっこしながらおいかけています。ワン太や子グマたちも、ちょうちょうを見ようと小助の後をついて行きます。
そして、森のおくにある草花にはあざやかなもようのちょうちょうが止まっています。小助は、そのちょうちょうを見ようと手前で立ち止まっています。
「ねえねえ! ねえねえ!」
「ぼうや、どうしたの?」
「あのちょうちょうなあに? あのちょうちょうなあに?」
「これはねえ、あげはちょうという名前のちょうちょうだよ。白いちょうちょうとはまたちがったもようをしているね」
クマのお母さんは、森の中にいるこん虫のことをよく知っています。子どもたちも、お母さんグマがやさしく教えてくれるのを楽しそうに聞いています。
「あっ! いもむち(いもむし)! いもむち!」
「ぼうや、よく見つけたね。このいもむしは何のこん虫の子どもかな?」
「う~ん……」
「ふふふ、これはちょうちょうの子どもだよ」
「ちょうちょうの子ども! ちょうちょうの子ども!」
小助は、いもむしがちょうちょうの子どもであることをはじめて知ることができて大よろこびしています。子どもたちにとって、こん虫や草花のことを分かりやすくつたえてくれるお母さんグマのことが大すきです。




