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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
どうぶつたちとなかよしの小助くん
325/343

草むらのかわいいおばけ

 春になって雪がとけると、土の中からスミレやタンポポといった草花がさまざまなばしょで見ることができます。森の中でも、小助たちがさいたばかりのタンポポをじっとながめています。


「わあ~い! タンポポ! タンポポ!」

「ぼうやはタンポポを見るのが大すきなんだね」

「うん!」


 小助は、子グマやちびっこオオカミといっしょにタンポポやスミレを見ようと草むらへすすんでいます。お母さんグマも、子どもたちに草花のことを教えようと後ろからついていきます。


「タンポポ! タンポポ!」

「ふふふ、黄色い花をつけてかわいいね。となりのほうにはスミレもさいているわ」

「わあ~っ! スミレだ! スミレだ!」


 むらさき色の花をつけるスミレのすがたに、小助はどうぶつの子どもたちとともに立ち止まったままでじっと見つめています。


 そんな時、草むらから何かがいることに気づきました。小助たちが近づいてみると、おばけが草むらの中からひょっこりと出てきました。


「わあっ! お、おばけだ!」


 子グマとちびっこオオカミは、おばけのすがたを見るとすぐにお母さんグマの後ろにかくれました。どうぶつの子どもたちがおばけをこわがる中、小助はつぎつぎとあらわれたおばけをじっとながめています。


「おばけちゃん! おばけちゃん!」


 おばけたちは、自分たちをこわがらない小助をふしぎそうに見つめています。なぜなら、小助から見ておばけたちのすがたがとてもかわいいからです。


「いっちょにあちょぼう(いっしょにあそぼう)! いっちょにあちょぼう!」

「じゃあ、ぼくたちをつかまえることができるかな?」


 小助は、森の草むらをかけめぐりながらおばけたちをつかまえようとしています。しかし、おばけたちは空中をとんだりうかんだりするのでなかなかつかまえることができません。


「ぼうや、こっちこっち!」

「わ~い! おばけちゃん! おばけちゃん!」


 この後も、小助とおばけたちは行ったりきたりしながらおいかけっこをつづけています。このようすに、こわがってばかりのどうぶつの子どもたちも小助といっしょにかわいいおばけをおいかけることにしました。


「おばけちゃん、ちゅかまえた(つかまえた)! ちゅかまえた!」

「わあっ! つかまっちゃった」


 小助は、かわいいおばけにおいつくとそのままつかまえることができました。おばけたちは、人間の子どもにおいつかれてちょっぴりくやしそうです。


 でも、あそびおえると小助たちとおばけたちはすっかりなかよくなりました。小助は、かわいいおばけとなかよしのあくしゅをしています。


「またあちょぼう(あそぼう)! またあちょぼう!」

「ぼうやたちとまたあえるのを楽しみにしているよ」


 小助たちは、えがおで新しい友だちに手をふりまがらおわかれしています。お母さんグマも、かわいいおばけとあそんだ子どもたちのようすをほほえましげに後ろから見つめています。

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