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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
どうぶつたちとなかよしの小助くん
323/343

お母さんグマのびょうきをなおしたい

 山おくに春がやってくると、ふりつもった雪がとけてみどりにおおわれたじめんが見えてきました。


 小助とワン太は、冬ごもりしていたクマの親子に会おうと森の中へ入って行きました。お母さん犬も、小助たちのようすを見ようと後ろからついて行きます。


 雪がまだのこっている中、リスは大きな木のあなから出てくるとじめんにおりて草を食べはじめました。


「ねえねえ! 何ちているの(しているの)?」

「ひさしぶりに外へ出て草を食べているところだよ」


 じめんに生えている草むらは、自分のすみかで冬ごもりをしていたリスにとってありがたい食べものです。どうぶつたちにとって、春は冬に会うことができなかったみんなと顔を合わせるきせつとなっています。


 森の中をすすむと、クマの親子がくらしているほらあなが見えてきました。でも、ほらあなからはだれも出てきません。


 そこで、小助はほらあなの中をそっとのぞくことにしました。小助の目の先には、あお向けになっているお母さんグマとそばでないている子グマたちのすがたです。お母さんグマは、元気がないようすでうなされながらねこんでいます。


「どうちたの(どうしたの)? どうちたの?」

「かあちゃがねつを出してねこんだままなの」


 子グマたちは、冬ごもりから外へ出て小助たちとあそぶのを楽しみにしていました。でも、この日になってお母さんグマのぐあいがわるくなってそのままねこんでいます。


 すると、小助は森の中に雪がのこっているばしょへ行こうと子グマたちによびかけうぴと声を上げました。


「ねえねえ! こっちへ雪! こっちへ雪!」

「雪をもってくるの?」

「うん!」


 小助は、子グマたちといっしょに森の中をかけ足で走っています。森の中をすすむと、まだとけていない雪がたくさんあります。


「雪だ! 雪だ!」

「かあちぇのところへもっていこうよ」


 つもっている雪をあつめると、小助はでっかい雪玉を作ろうとまるめています。そして、小助はその雪玉をじめんにころがしながらすすんでいます。


「うんちょ(うんしょ)! うんちょ!」


 ほらあなの手前までやってくると、小助は小さい雪玉をお母さんグマの頭に2つのせています。子グマたちは、お母さんが早くなおるのをじっと見まもっています。


 しばらくすると、クマのお母さんのぐあいがよくなっておき上がることができました。元気をとりもどしたお母さんグマのすがたに、小助も子グマたちも大よろこびしています。


 このようすは、ほらあなの前で見ていたワン太やお母さん犬にもつたわっています。お母さん犬は、びょうきがなおったばかりのお母さんグマを気づかっています。


「あまりむりをしたらいけないよ」

「ありがとうね。でも、もうすっかりと元気になったから大じょうぶだよ」


 小助と子グマたちは、いつものお母さんグマにもどったのを見てとてもうれしそうです。この後も、小助たちは、お母さんグマにしがみつきながらあまえようとしています。

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