表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと冬の新しい出会い
319/343

山の中にいるのは?

 小助は、雪がたくさんつもった道を元気いっぱいにすすんでいます。自分の足が白い雪の中にはまっても、小助はそんなことを気にすることはありません。


「うんしょ! うんしょ! うんしょ!」

「小助くん、雪にはまったままだけど大じょうぶなの?」

「大じょうぶ! 大じょうぶ!」


 後ろにいるお母さん犬のしんぱいをよそに、小助は足が雪にすっぽりと入ったままでもいっしょうけんめいに前へ行こうとしています。


 しばらくすると、いままで行ったことのない山の入り口へやってきました。空を見上げると、雪がはげしくふりつづいています。


「わあ~い! 雪だ! 雪だ!」


 どんなに雪がふっていても、小助は大よろこびで山のおくへ向かおうと入りました。お母さん犬も、小助のようすを気にしながらも後ろからワン太とともについて行きます。


 雪ぶかい中で山のてっぺんへ行くのはとても大へんです。小助がすすもうとすると、まわりの木につもっていた雪がたくさんおちてきました。


「小助くん!」


 お母さんがあわてたようすでかけよると、小助がうまった雪の中からえがおを見せながら出てきました。


「見て見て! 雪がいっぱいだよ! 雪がいっぱいだよ!」

「小助くん、そんなに雪が大すきなの?」

「うん! 大ちゅき(大すき)! 大ちゅき!」


 小助は、木の太いえだにとびつくと白い雪の中へいきおいよくとびこみました。ちゃくちの時に雪の中へすっぽり入ってもへっちゃらです。


「元気なのはいいけど、けがをしないように気をつけてね」

「うん!」


 白い雪がたくさんとつもっているので、山の中をすすむのにもかなり大へんそうです。それでも、小助はえがおを見せながら雪道をすこしずつ前へ行こうとしています。


 そんな小助に、お母さん犬はあることをつたえようと声をかけています。なぜなら、お母さん犬はこの山へ1ぴきだけで出かけた時におそろしいばけものがいることを知ったからです。


「この先には、ばけものがいるから引きかえしたほうが……」


 しかし、お母さん犬からのことばが小助の耳に入ることはありません。小助にとっては、ばけものであってもあそびあいてだからです。


 山のてっぺんを目ざして歩きつづけると、白い毛なみでおおわれた2本のつのをもつでっかいばけものがいることに気づきました。すると、小助はなぞのばけものがいるところへいっしょうけんめいにすすんでいます。


「小助くん! そのばけものに近づいたら……」


 お母さん犬は、ばけものに近づかないように小助になんどもさけび声を上げています。しかし、小助はさけび声を聞かないままばけものの前へやってきました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ