表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと冬の新しい出会い
318/343

小助くんの家へやってきたゴロ太くん

 雪のつもった森の中を出ると、小助がくらす小さな家が目の前にあらわれました。小助は、ゴロ太といっしょにお母さんのまっている家の中へ入ることにしました。


「かあちゃ! ただいま!」

「小助くん、この子は新しい友だち?」

「うん! ゴロ太くん! ゴロ太くん!」


 お母さんにとって、かみなりの子どもであるゴロ太を見るのはこれがはじめてです。でも、ゴロ太が小助となかよしになっているすがたにお母さんもすぐにえがおで話しかけるようになりました。


 ワン太もお母さん犬も、小助たちの後ろから家の中へ入ってきました。ゴロ太は、雪道からたどりつくといろりのそばにすわってしゃべりはじめました。


「まったく、雪の中になんども足がはまって歩きにくかったぞ」

「ゴロ太くんのあちあと(足あと)! ゴロ太くんのあちあと!」

「小助だって、歩くたびに雪にはまっていただろ」


 ゴロ太にとって、森からつづく雪の中の道のりは今までもっとも大へんだったようです。そんな時、お母さんはいろりでぬくめているみそしるをうつわに入れてゴロ太に手わたしました。


「これは?」

「みそしるをのんだら体があたたまるよ」


 お母さんからのことばにさそわれるように、ゴロ太はさっそくみそしるをのむことにしました。ゴロ太は、あまりのおいしさにみそしるをのこさないでのみほすことができました。


「ど、どうもありがとう……」

「そんなにきんちょうしなくても大じょうぶだよ」


 いつもぶっきらぼうなゴロ太ですが、自分のことをやさしく見つめる小助のお母さんにじっと顔を合わせています。


 そのころ、小助はワン太がお母さん犬のおっぱいをのんでいるのを見るとすぐにお母さんのそばにしがみつきました。お母さんは、小助がここへきたのがどういうわけなのかよく知っています。


「小助くん、どうしたの?」

「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」

「しょうがないわね。だっこしてあげるからおっぱいをのもうね」


 こうして、小助はお母さんのおっぱいをのみはじめました。お母さんは、おっぱいをたくさんのんでいる小助のかわいい顔をえがおでながめています。


 ゴロ太は、小助がおっぱいをのんでいるようすを見ながら自分の小さい時のことを思い出しています。人間であっても、かみなりであっても、小さい子がおっぱいをのむのはどちらも同じです。


 でも、小助がおっぱいをのむあいては人間だけではありません。こんどは、お母さん犬のそばへ行ってワン太といっしょにおっぱいをのもうとしています。


「小助くん、こんなにたくさんのんでも大じょうぶなの?」


 お母さん犬は、小助がおっぱいをのみすぎておしっこが出ちゃうのをしんぱいしています。けれども、小助はそんなことを気にすることなくおっぱいをのみつづけています。


 やがて、小助はおっぱいをのむのをやめるとゆかにねころがるようにあお向けになりました。雪のふかいところを行ったりもどったりしたのでつかれてしまったようです。


 ゴロ太は、あお向けになった小助のかわいいしぐさをそばでじっとながめています。そして、赤ちゃんみたいにあんよを上げた小助をゴロ太が目の前から見ようとしたその時のことです。


「ジョパジョパジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」

「わっ! おしっこがいきなり顔にかかっちゃった」


 小助は、元気いっぱいのおしっこをゴロ太の顔へいきおいよくめいちゅうさせてしまいました。いきなりのできごとに、ゴロ太は小助のおしっここうげきをかわすことができません。


「おちっこ(おしっこ)! おちっこ! おちっこ!」

「あ~あ、小助の前ではゆだんできないなあ」


 ゴロ太は、小助のおしっこを自分の顔に食らったのですっかりまいっています。そんな中、小助はゆかの上でかわいいねがおを見せながらすやすやとねむっています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ