小助くんの家へやってきたゴロ太くん
雪のつもった森の中を出ると、小助がくらす小さな家が目の前にあらわれました。小助は、ゴロ太といっしょにお母さんのまっている家の中へ入ることにしました。
「かあちゃ! ただいま!」
「小助くん、この子は新しい友だち?」
「うん! ゴロ太くん! ゴロ太くん!」
お母さんにとって、かみなりの子どもであるゴロ太を見るのはこれがはじめてです。でも、ゴロ太が小助となかよしになっているすがたにお母さんもすぐにえがおで話しかけるようになりました。
ワン太もお母さん犬も、小助たちの後ろから家の中へ入ってきました。ゴロ太は、雪道からたどりつくといろりのそばにすわってしゃべりはじめました。
「まったく、雪の中になんども足がはまって歩きにくかったぞ」
「ゴロ太くんのあちあと(足あと)! ゴロ太くんのあちあと!」
「小助だって、歩くたびに雪にはまっていただろ」
ゴロ太にとって、森からつづく雪の中の道のりは今までもっとも大へんだったようです。そんな時、お母さんはいろりでぬくめているみそしるをうつわに入れてゴロ太に手わたしました。
「これは?」
「みそしるをのんだら体があたたまるよ」
お母さんからのことばにさそわれるように、ゴロ太はさっそくみそしるをのむことにしました。ゴロ太は、あまりのおいしさにみそしるをのこさないでのみほすことができました。
「ど、どうもありがとう……」
「そんなにきんちょうしなくても大じょうぶだよ」
いつもぶっきらぼうなゴロ太ですが、自分のことをやさしく見つめる小助のお母さんにじっと顔を合わせています。
そのころ、小助はワン太がお母さん犬のおっぱいをのんでいるのを見るとすぐにお母さんのそばにしがみつきました。お母さんは、小助がここへきたのがどういうわけなのかよく知っています。
「小助くん、どうしたの?」
「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」
「しょうがないわね。だっこしてあげるからおっぱいをのもうね」
こうして、小助はお母さんのおっぱいをのみはじめました。お母さんは、おっぱいをたくさんのんでいる小助のかわいい顔をえがおでながめています。
ゴロ太は、小助がおっぱいをのんでいるようすを見ながら自分の小さい時のことを思い出しています。人間であっても、かみなりであっても、小さい子がおっぱいをのむのはどちらも同じです。
でも、小助がおっぱいをのむあいては人間だけではありません。こんどは、お母さん犬のそばへ行ってワン太といっしょにおっぱいをのもうとしています。
「小助くん、こんなにたくさんのんでも大じょうぶなの?」
お母さん犬は、小助がおっぱいをのみすぎておしっこが出ちゃうのをしんぱいしています。けれども、小助はそんなことを気にすることなくおっぱいをのみつづけています。
やがて、小助はおっぱいをのむのをやめるとゆかにねころがるようにあお向けになりました。雪のふかいところを行ったりもどったりしたのでつかれてしまったようです。
ゴロ太は、あお向けになった小助のかわいいしぐさをそばでじっとながめています。そして、赤ちゃんみたいにあんよを上げた小助をゴロ太が目の前から見ようとしたその時のことです。
「ジョパジョパジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」
「わっ! おしっこがいきなり顔にかかっちゃった」
小助は、元気いっぱいのおしっこをゴロ太の顔へいきおいよくめいちゅうさせてしまいました。いきなりのできごとに、ゴロ太は小助のおしっここうげきをかわすことができません。
「おちっこ(おしっこ)! おちっこ! おちっこ!」
「あ~あ、小助の前ではゆだんできないなあ」
ゴロ太は、小助のおしっこを自分の顔に食らったのですっかりまいっています。そんな中、小助はゆかの上でかわいいねがおを見せながらすやすやとねむっています。




