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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと冬の新しい出会い
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冬のかみなりとゴロ太くん

 うすぐらい雲におおわれた空から雪がふりつづく中、小助はワン太やお母さん犬といっしょに森の中をすすんでいます。


「小助くん、雪にはまってばかりだけど大じょうぶ?」

「てへへ、はまっちゃった」


 小助は、足をふみしめるたびに自分の足が雪の中へ入ってしまいます。けれども、小助は雪が大すきなのでまったく気にしていません。


 白い雪がどこまでもつづく森のおくですが、空のほうからはかみなりの音がゴロゴロとなんども鳴りひびいています。


「かみなりが鳴っているわね。大じょうぶかしら」


 お母さん犬のそばには、かみなりがこわいワン太がそばからはなれずにしがみついたままです。そんな中にあって、小助は雪の中へ足がはまりながらも元気いっぱいに歩いています。


 雪のほうは、さっきとくらべてはげしくふるようになってきました。小助が空を見上げると、いなびかりが光りながらかみなりがじめんにおちる音が耳に入ってきました。


 すると、小助の目の先に空から雪の中へだれかがおちてきました。小助は雪の中にはまった足を一歩ずつふみしめながらそのばしょへ向かいました。後ろのほうからは、ワン太とお母さん犬が2匹そろっていっしょについて行きます。


 空からおちたばしょへたどりつくと、小助が見たことのあるかみなりの子どものすがたがありました。


「わあ~っ! ゴロ太くん! ゴロ太くん」

「小助か。こんなところで会うとはなあ」


 ゴロ太はかみなりの音を鳴らすのがしごとですが、それは夏だけのしごとではありません。冬に雪がたくさんふる時も、かみなりたちははげしい音をなんどもくりかえすように鳴らします。


「こんなにつもったら、小助くんの大すきなおすもうができないなあ」


 白い雪がこんなにたくさんつもっていると、おすもうをしても足が雪の中へすっぽりと入ってしまいます。これでは、いつものように小助とゴロ太によるおすもうをすることができません。


 でも、小助はそんなことで気にすることはありません。おすもうができなくても、ゴロ太といっしょにいることができます。


「いっちょ(いっしょ)に行こう! いっちょに行こう!」

「どこへつれていくんだ」

「こっち! こっち! こっち!」


 どうやら、小助はお母さんがいる自分の家にゴロ太をつれていくようです。ゴロ太は、小助のお母さんがどんな人なのか知りません。


「それじゃあ、小助くんのおうちへみんなでもどろうかな」


 小助たちは、白い雪が広がる森の中をすすみながらお母さんのまっている家へ向かうことにしました。雪の上から足がはまってしまうのは、小助もゴロ太も同じです。


「ちっ、雪の上は歩きにくいなあ。足をふんだら雪の中にはまってしまうし」

「わ~い! 長いあちあと(長い足あと)! 長いあちあと!」


 小助とゴロ太は、ひさしぶりに顔を合わせておしゃべりしながら雪の道をすすんでいます。

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