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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと冬の新しい出会い
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雪ん子のきちべえと友だちになったよ!

 山おくの冬は、小助にとっていつも楽しみにしているきせつです。この日も、小助は白い雪にさそわれるように森の中へ入って行きました。


 はげしい雪がふっていても、小助ははらがけ1まいでいつも元気いっぱいです。雪の上をはだしですすんでいると、小さな子どもらしきすがたが小助の目に入ってきました。


「わ~い! 雪ん子だ! 雪ん子だ!」


 小助は、わらぼうしをかぶっている雪ん子にかけよりました。雪ん子のほうも、はじめて見るかわいい男の子のすがたをじっと見つめています。


「ねえねえ! きみの名前は?」

「こちゅけ(小助)! こちゅけ! こちゅけ!」

「こちゅけくんっていううんだ。ぼくの名前はきちべえっていうの」

「きちべえくん! きちべえくん!」


 雪ん子のきちべえは、長そでのきものをみにつけてわらぐつをはいているのでとてもあたたかそうです。


 小助は、雪の中で新しい友だちとさっそくあくしゅしました。でも、きちべえは小助のような人間とは少しちがいます。


「こちゅけくん、雪ん子っていうのは雪のようせいのことだよ」

「雪のようせい?」

「ぼくたちが見えるのは、雪がつもっている間だけなの」


 ここは山おくの雪がたっぷりつもっているばしょですが、雪ん子を見つけるのはかんたんなことではありません。だからこそ、小助はきちべえに雪の中であそぼうとさそっています。


「ねえねえ! ねえねえ!」

「こちゅけくん、どうしたの?」

「おちゅもうちよう(おすもうしよう)! おちゅもうちよう!」

「おちゅもう?」


 小助は、夏でも冬でもあいてを見つけておすもうごっこをするのが大すきです。でも、きちべえはおすもうのことはまったく知りません。


 そこで、小助はきちべえにおすもうごっこをすることにしました。小助はきちべえの体をりょう手でつかむと、きちべえのほうも小助の体をつかんでいます。


「こちゅけくん、これでいいの?」

「うん!」


 小助ときちべえは、ふりつもった雪の中にりょう足がすっぽりとはまってしまってうまくうごくことができません。そんな中でも、小助は力いっぱいにきちべえを雪の上におしたおしました。


「おちゅもうかった! おちゅもうかった!」

「てへへ、まけちゃった。こちゅけくんのおちゅもうにはかなわないよ」


 おすもうがおわると、こんどは2人で大きな雪だるまを作ります。小助は、自分でまるめた雪玉をころがしながら大きくしていきます。


「こちゅけくん、こうやってころがすの?」

「うん!」


 きちべえのほうも、小助と同じように自分で雪玉を大きくしようところがしています。大きな雪玉ができ上がると、小助はでっかい雪玉の上にきちべえがころがした一回り小さい雪玉をもち上げてのせようとします。


「うんしょ! うんしょ!」


 さいごに、近くにあった石や木のえだで雪だるまの顔を作ると、2人で力を合わせて作った雪だるまのでき上がりです。


「大きな雪だるまができたよ!」

「わあ~い! 雪だるま! 雪だるま! 雪だるま!」


 上のほうをみわたすと、雪がやんで雲の合間から青い空が見えています。小助は、きちべえといっしょに作った雪だるまのすがたを見ながら大はしゃぎでとびはねています。

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