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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
秋のきせつはどうぶつたちとともに
310/343

おいしいやきイモとイノシシへのおなら3れんぱつ

 森の中では、子どもたちがはたけからほり出したイモをやいて食べるところです。大きなかごには、いろんな大きさのイモが山もりに入っています。


「やきイモ! やきイモ! やきイモ!」


 小助は、草むらにおちている木の大きなかけらを手にすると森の中のじめんへおきました。そして、じょうぶでおれにくい木のえだでこすりながら火おこしをはじめました。


 そばには、お母さんグマが小助のようすをじっとながめています。


「ぼうや、火をおこすことができるのかな?」

「大じょうぶ! 大じょうぶ!」


 火おこしは、ケモスケと会った時にお父さんかいじゅうがやっていたのを思い出しながら行っています。小助は、何とかして火をおこそうといっしょうけんめいになっています。


 すると、火おこしでこすったところから白いけむりが出てきました。さらにつづけると、木のかけらに火がつくようになりました。


「わあ~っ! 火がちゅいた(ついた)! 火がちゅいた!」

「それじゃあ、じめんにおちているはっぱや小さいえだをあつめてこっちへもってきてね」


 どうぶつの子どもたちは、まわりにおちているはっぱやかれた草をひろうとすぐにもってきて火の中へ入れています。火がもえるようになると、いよいよイモをやくじゅんびをしようと大きなかごからとり出しています。


「みんな! これからイモをやくからよく見ておいてね」


 小助のお母さんは、かごの中から出したイモをつぎつぎと火の中へ入れて行きます。子どもたちは、やきイモができるのを楽しみにしながらもえる火のほうをじっと見つめています。


「早く食べたいなあ」

「しばらくしたらできるからね」


 大きなかごの中には、イモがまだたくさんあります。これらのイモは、小助がくらす小さな家のおくにおいておけばやきイモをいつでも食べることができます。


 やきイモができるまでの間、小助たちは少しはなれたところでじゃれ合いながらあそぶことにしました。お母さんたちは、じっくりとやき上げるイモのいいにおいがただよってきました。


「そろそろできるから、こっちへおいで」


 子どもたちは、小助のお母さんの声を聞くといっせいにもどってきました。すると、さっきまでもえていた火がきえて白いけむりが上がっています。


「おいしいやきイモができたからいっぱい食べてね」


 小助は、お母さんから手わたされたやきイモを大きな口をあけてほおばるように食べています。お母さんのほうも、おいしそうに食べる小助のすがたをやさしく見つめています。


 この後も、小助は大きなやきイモを食べつづけています。ほかのどうぶつたちも、できたてのやきイモをおいしそうに口の中へ入れています。


 そんな時、イノシシのむれが森の中へ入ってくるのが小助の目に入ってきました。小助は、やきイモをさらにもう1本食べるとイノシシのところへ向かって走り出しました。


「いっちょにおちゅもう(おすもう)! いっちょにおちゅもう!」

「わわっ! またあの子が……」


 小助は、目の前にいるでっかいイノシシの体を力いっぱいにおしたおしました。そして、あお向けにたおれたイノシシの上にまたがったその時のことです。


「ププププウ~ッ! ププププププウ~ッ! ププウウウウウウウウウウウウウウウウ~ッ!」

「うっ! く、く、くさ~い!」


 森の中に鳴りひびいたのは、小助によるでっかいおならの3れんぱつです。イノシシは、あまりにもくさいおならのにおいにすぐに森からにげ出しました。


「か、かんべんしてくれよ……」

「またあちょぼう(あそぼう)! またあちょぼう!」


 小助は、イノシシに手をふっているとお母さんがそばへやってきました。お母さんは、元気でかわいい声を上げる小助をほほえましそうに見つめています。


「おなら! おなら! おなら!」

「ふふふ、おならがいっぱい出るのはいつもイモをたくさん食べているおかげだよ」


 お母さんは、小助のおならの音を聞いていつも元気いっぱいであることをかんじているようです。

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