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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
秋のきせつはどうぶつたちとともに
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みんなのおすもう大会

 小助はお母さんかいじゅうのおっぱいをのみおえると、ケモスケのところへもどってきました。ケモスケのそばには子グマたちがいます。


 ケモスケたちは、お父さんかいじゅうがおちていた太いえだで土ひょうを作っているのをと見ています。小助のほうも、かいじゅうのお父さんとおすもうがしたいと今から楽しみにしています。


「それじゃあ、これからみんなとおすもうをしようかな」

「わ~い! おちゅもう(おすもう)! おちゅもう!」


 じゅんびがおわると、みんながあつまってのおすもうがいよいよはじまります。おすもうのぎょうじは、お母さんグマがすることになりました。


 さいしょは、いつもなかよしの2ひきの子グマと小助によるおすもうです。子グマたちは、小助にまけたくないと2ひきそろってあいてに向かっていきます。


「はっけよい! のこった!」


 2ひきの子グマは、どうにかして小助をおし出そうといっしょうけんめいになっています。しかし、どんなことをしても小助はびくともしません。


「うんしょ! うんしょ! うんしょ!」

「わっ、わわわわっ!」


 小助は、力強いおしずもうで子グマたちに土をつけました。子グマたちは2ひきがかりで向かいましたが、小助の強さの前にきょうもまけてしまいました。


「あ~あ、まけちゃった」


 土ひょうでは、小助がおすもうにまけてしょんぼりしている子グマたちとあくしゅしています。おすもうがおわれば、いつものなかよし友だちにもどります。


 つぎのとり組は、小助よりも一回り大きいケモスケです。小助は、土ひょうに入ってケモスケとおたがいに見合っています。


 クマのお母さんのかけ声と同時に、小助とケモスケは土ひょうの上であいての体をつかむように組み合っています。ケモスケは、小助を土ひょうの外へおし出そうと力をいれていますがうまくいきません。


「うぐぐぐぐっ、うぐぐぐぐぐぐっ……」


 ケモスケがどんなにおしても、小助は後ろへおされることなくふんばりつづけています。そうするうちに、こんどは小助がケモスケの体を力いっぱいに前へおしつづけています。


「う~んぐぐっ! う~んぐぐぐぐっ! う~んぐぐぐぐぐぐぐっ!」

「わっ! わっ! わっ! わわわわわわわっ……」


 小助は、すさまじい力でケモスケを土ひょうの外へおし出すことができました。ケモスケは、小助のあまりの強さに思わずしりもちをついてしまいました。


「いててっ、じめんにおしりをついちゃった」

「大じょうぶ! 大じょうぶ!」


 おすもうがおわったら、小助もケモスケもかちまけのことはまったく気にしません。小助とケモスケは、友だちとしておたがいにあくしゅしています。


 いよいよ、土ひょうのほうにはお父さんかいじゅうが入ってきました。かいじゅうのお父さんは、ケモスケといっしょにいる小助に声をかけています。


「ぼうや、いっしょにおすもうで力くらべをしようかな」

「うん!」


 どんなに強い小助でも、お父さんかいじゅうにはなかなかかつことができません。それでも、小助はおすもうで強いあいてにかちたいという思いをもっています。

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