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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
秋のきせつはどうぶつたちとともに
301/343

ケモスケくんのいるところへ目ざして

 青く広がる空に見まもられるように、大きな池のそばではコオロギをはじめとする虫の鳴き声が森のほうから聞こえてきます。


 そんな中、小助とワン太は池のそばから向かいがわのほうをながめています。後ろからは、クマのお母さんと子どもたちがいっしょにやってきました。


「ねえねえ! あっちへ行こう! あっちへ行こう!」


 小助は、大きな池の向こうへゆびを指しながら声を上げています。そのようすは、クマの親子のほうにもちゃんとつたわっています。


「ふふふ、もしかしてケモスケくんに会いたいのかな?」

「うん!」


 大きな池のほうでは、小助が早くおよいで向こうへ行こうとしています。お母さんグマも、子グマたちとワン太をせなかへのせて池へ入ってきました。


「ケモチュケくん(ケモスケくん)! ケモチュケくん!」


 小助は、池をおよいでいる時も頭の中はケモスケのことでいっぱいです。すぐとなりでは、お母さんグマがどうぶつの子どもたちをのせながら水中をすすんでいます。


 大きな池には、いろんなお魚がすいすいとうごき回っています。小助のほうも、池の中をすすむイワナやアユについて行くようにおよぎつづけています。


 ケモスケに会うのを楽しみにしているのは、どうぶつの子どもたちも同じです。ワン太も子グマたちも、ケモスケといっしょにあそんでいた時のことをわすれていません。


「早く会いたいなあ」

「かいじゅうだけどぜんぜんこわくないよ」


 お母さんグマは、子どもたちのかわいい声を耳にしながら大きな池をずっとおよいでいます。


 しばらく池の中をすすむと、向かいがわの山道の出入り口が少しずつ見えてきました。そのばしょへ目ざそうと、小助もお母さんグマも水の中を力いっぱいにすすみつづけています。


 大きな池の向こうがわへたどりつくと、小助はワン太や子グマたちとともにいそぎ足で山道をかけ上がっています。後ろからは、お母さんグマが子どもたちの様子を見ながらついて行きます。


「そんなにいそがなくても……」


 クマのお母さんは、小助たちが山道のとちゅうでけがをするのではとしんぱいしています。そんなしんぱいをよそに、小助はどうぶつたちといっしょにかけっこを楽しんでいます。


 しかし、この先の草むらの中にはおそろしい犬たちがひそんでいます。ワン太や子グマたちは、草むらから出てくたどうもうな犬たちのすがたが目に入ってきました。


「こ、こわいよう」


 どうぶつの子どもたちは、あわてて引きかえすとすぐにお母さんグマの後ろにかくれています。しかし、小助はおそろしいあいてであってもまったく気にしていません。


「ケモチュケくん! ケモチュケくん!」


 小助は、ケモスケに早く会うためにおそろしい犬がいるところを通ろうと前へ向かってすすんでいます。

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