白い雪うさぎたちと小助くん
今日も、雪のつもった森の中を小助が歩いています。小助は、いっしょにあそぶどうぶつたちをさがそうとおくのほうへ向かってすすんでいきます。
すると、雪の草むらにかわいいどうぶつのすがたがあるのを見つけました。小助がゆっくり歩くと、そこには雪のような白いうさぎが3びきもいます。
「いっちょにあちょぼう(いっしょにあそぼう)! いっちょにあちょぼう!」
小助は草むらの前で、うさぎをじっと見ながら立ち止まっています。うさぎたちは、自分たちのそばにいる小助を見てすぐに話しかけてきました。
「ぼうやの名前は?」
「小助! 小助! 小助!」
「小助くんは、いつもげんきいっぱいなんだね」
「うん!」
うさぎから見ると、小助は人間の赤ちゃんといってもかなり大きそうです。でも、小助のやさしい顔つきはうさぎたちにもつたわりました。
「小助くん、これからぼくたちが走るところは見せてあげるからね」
草むらからとび出した3びきのうさぎたちは、雪がつもった森の中を4本足で走り回っています。小助は、うさぎがピョンピョンはねながら走るすがたを見ようとおいかけようとします。
「わあっ! うちゃぎ(うさぎ)さんちゅごい(すごい)! ちゅごい!」
「ぼくたちが走るところがそんなにすごいって、ちょっとてれるなあ」
うさぎたちは、小助がかわいいことばでおうえんしてくれるのでうれしそうです。これを見た小助も、うさぎと同じように走ろうと4本足になりました。
「えいっ! えいっ!」
小助は、うさぎのまねをしようと前へピョンピョンはねようとします。けれども、なれたようすで走り回るうさぎのはやさにはかないません。
そんな時、森のおくへすすんでいたはずのうさぎたちが小助のそばへやってきました。そのすがたは、さっきとちがってなにかにおびえているようです。
「向こうへ行ったらダメ!」
「この先の草むらに、おそろしいけものがいるみたいなんだ」
うさぎたちは、小助がそのまま歩いてすすむのを止めようとします。しかし、小助にはおそろしいけものがどういうのかまだ分かりません。
「けもの! けもの! けもの!」
「おいおい! あそこへ行ったらけものに……」
うさぎたちがどんなに止めようとしても、雪の上を歩く小助の耳に入ることはありません。小助は、どんなけものなのか見ようと森のおくにある雪のつもった草むらへすすんで行きます。
草むらへ足を入れながら雪のふかいところを歩いていると、小助はするどい目つきのけものたちにかこまれました。




