表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと森のなかまたち
3/341

クマの親子と小助くんの出会い

 小助こすけが森の中へ入ると、そこには今まで見たことのないものであふれています。4本足ですすんでいくそのまわりには、たくさんの大きな木が広がっています。


 赤ちゃんの男の子をむかえるのは、ところどころにさいている草花たちです。1人で歩きつづける小助ですが、森のしぜんはかわいい子どもをやさしく見まもっています。


 けれども、大きな木にかくれながらそのようすを見るお母さんは、小助から目をはなすことができません。


「小助くんがこわいけものに見つかりませんように……」


 たった1人だけの子どもだからこそ、お母さんは早く家につれて帰りたいところです。しかし、森の中にはこわいクマやオオカミがどこにひろんでいるのか分かりません。


 すると、森の山道にどうぶつらしき足あとがあるのをお母さんが見つけました。そこにあったのは、お母さんがおそれていたあのけものの足あとです。


「そっちへ行ったらダメ! そこには大きなクマやオオカミが……」


 お母さんは、先へすすむ小助にむかって大声でさけびました。しかし、その声は小助の耳にとどいていません。


 その時、小助のむこうにある草むらから何かごそごそする音が聞こえてきました。草むらからあらわれたのは、子グマ2ひきを引きつれた大きなクマです。その体つきは、小助とくらべものになりません。


 あれだけの大きなクマにおそわれたら、小助はしんでしまうかもしれません。


「ど、どうしよう……。わたしのだいじな赤ちゃんが……」


 クマに近づく小助のすがたに、お母さんは思わず手で顔をかくしました。けれども、お母さんの耳に入ってきたのは、子グマのかわいい声です。


 お母さんがおそろおそるとクマたちのほうを見ると、そこには小助が子グマとじゃれ合いながらあそんでいます。


 どうやら、小助は子グマとおすもうごっこをしているようです。まだ2本足で立つのがやっとの小助ですが、子グマと組み合ったらその力をあっという間に見せつけます。


「わっ! またまけちゃった」


 後ろにおしりをついてまけてしまった子グマは、まだ赤ちゃんの小助の強さにびっくりしています。そんな小助に、大きなクマが声をかけてきました。


「ふふふ、こんなに強い人間の赤ちゃんは今まで見たことがないわ」


 その大きなクマは、子グマたちのお母さんです。森の中で見るのが何もかもはじめての小助は、クマたちを前にしてもまったくこわがるようすを見せません。


 そんな小助は、お母さんグマにへばりつくとそのまま何かをねだっています。これを見たお母さんグマは、小助が何をしたがっているのかすぐに分かりました。


「もしかして、ぼうやはおっぱいがのみたいのかな?」


 小助は、お母さんグマにだかれながらキャッキャッとうれしそうなしぐさを見せています。こうして、お母さんグマは小助に自分のおっぱいをのませることにしました。


「さあ、おっぱいをたくさんのんでごらん」


 小助は、お母さんグマのおっぱいをおいしそうにのんでいます。となりでは、2ひきの子グマも自分たちのお母さんのおっぱいをのんでいるところです。


 お母さんグマは、小さい人間の赤ちゃんが自分の子どもといっしょにおっぱいをのむようすにやさしい目つきで見つめています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] Twitterフォローありがとうございました 素敵な作品ですね ブックマークさせていただきました。
2021/01/28 07:29 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ