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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
大すきな夏のぼうけんとたんけん
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小助くんとくわがた虫のおすもう

 土ひょうでは、小助とくわがた虫によりおすもうがはじまろうとしています。そのようすは、さっきまで小助とたたかったかぶと虫のほうにもつたわっています。


 まわりのこん虫たちが見まもる中、ワン太がおすもうのはじまりの合図をかけようとしています。


「はっけよい、のこった」


 おすもうがはじまると、くわがた虫がいきなり小助のほうへつっこんできました。小助は、くわがた虫のはさみをりょう手でつかんであいてのうごきを食い止めようとしています。


「んぐぐぐぐぐっ……」

「はっはっは! お前の力はこんなものとはなあ」


 くわがた虫は、小助をこの場でおしたおすことができるとじしんまんまんです。しかし、小助もこんなことぐらいでまけるわけにはいきません。


「う~んしょ! う~んしょ! う~んしょ!」

「お前にまだそんな力がありあまっているとは……」


 小助は、すさまじい力を出しながらくわがた虫を前へおそうといっしょうけんめいになっています。くわがた虫のほうも、自分が強いことをしめそうとあいてをおしかえそうとしています。


「よいしょ! よいしょ! よいしょ!」

「そんな力でおれさまにかつことができるかな?」


 こうして、小助とくわがた虫は土ひょうのまん中であいてをおしたおそうとうごきをさぐっています。それでも、小助はくわがた虫のはさみをりょう手でつかんだままではなそうとはしません。


「んぐぐぐぐぐっ、んぐぐぐぐぐぐぐぐぐっ……」


 小助は、ありったけの力をふりしぼってくわがた虫の体をおし上げています。さすがのくわがた虫も、小助による力いっぱいのおすもうになすすべもありません。


「え~いっ!」

「わっ、わっ、わわわわわわわわわわっ……」


 くわがた虫は、小助のあまりの力強さの前に土ひょうの上へひっくりかえってしまいました。自分が強いと思っていただけに、くわがた虫はとてもくやしそうな顔つきを見せています。


 これを見た小助は、ひっくりかえったままのくわがた虫を力いっぱいにおこそうとしています。


「うんしょ! うんしょ!」

「おすもうにまけたおれさまをお前がちゃんとおこしてくれるとは……」


 くわがた虫は、小助のやさしさに思わずなみだが出そうになりました。おすもうがおわれば、かぶと虫もくわがた虫もみんなお友だちです。


「お前の力つよさには本当にまいってしまうよ」

「いつもいっちょ(いっしょ)! いつもいっちょ!」


 小助は、あそびつかれたのでくわがた虫の前であお向けになるようにねころがっています。くわがた虫は、さっきまでたたかった小助のかわいいすがたをそばでじっとながめています。


 すると、小助はくわがた虫をまちかまえたようにあんよを上げています。そして、くわがた虫がこのようすをふしぎそうに見ながら近づいたその時のことです。


「ジョジョジョジョジョジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」

「わわわっ!」


 小助は、くわがた虫の顔に向かっておしっこをいきおいよくめいちゅうさせてしまいました。いきなりのできごとに、くわがた虫はたまらないようすです。


「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」


 くわがた虫は、おすもうにつづいて小助からのおしっここうげきを食らってたじたじしています。こうした中でも、小助はおしっこが出てすっきりするといつものかわいいえがおを見せています。

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