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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
大すきな夏のぼうけんとたんけん
298/343

こん虫とのおすもうで力くらべ

 小助は、かぶと虫とおすもうをしようとおたがいに顔をあわせながらかまえています。かぶと虫のほうも、自分が強いことをあいてに思い知らせようとしています。


 まわりでいろんなこん虫たちが見まもる中、ワン太がはじまりの合図を行います。


「はっけよい、のこった」


 土ひょうの中では、小助とかぶと虫があいてに向かって思い切りぶつかっていきます。さっそく、小助はかぶと虫をたおそうと力いっぱいにおしつづけています。


「うんしょ! うんしょ! う~んしょ!」


 しかし、かぶと虫は小助の力強いおしずもうにもまったくびくともしません。すると、こんどはかぶと虫が自分の角を小助のほうへつき出しました。


「どうだ! ぼうやにはなくて、おれにはもっているのは何かな?」

「ちゅの(角)?」

「ぼうや、よく分かっているなあ。おれが強いのは、これだけのりっぱな角をもっているからじゃ」


 小助は、かぶと虫がつき出した角を何とか食い止めています。かぶと虫のほうも、小助をつきとばそうとしていますがなかなかうまくいきません。


「んぐぐぐぐぐぐっ……」

「なぜだ? どんなにおしたおそうとしても……」


 かぶと虫は、小助をたおすことができなくてあせっているようすです。これを見た小助は、ありったけの力でかぶと虫を後ろへおしたおしました。


「わ~い! おちゅもう(おすもう)かった! おちゅもうかった!」

「ぼうやの力の前にまけてしまうとは……」


 おすもうにかった小助のそばでは、まけてしまったしょんぼりしているかぶと虫のすがたがあります。そんな時、小助はとなりにいるかぶと虫にかわいい声でことばをかけています。


「友だち、いつもいっちょ(いっしょ)! 友だち、いつもいっちょ!」

「ぼうや、おれと友だちになりたいのか?」

「うん!」


 かぶと虫は、友だちになりたいという小助のすがたにとまどいをかんじています。しかし、小助のかわいいえがおでつたえる気もちはあいてのかぶと虫にもつたわっています。


「それじゃあ、ぼうやとなかよくしようかな」


 小助は、自分の右手でかぶと虫の上の足をやさしくあく手しています。これで、小助はかぶと虫と友だちになることができました。


 そんな小助の元へやってきたのは、おすもうに強いくわがた虫です。くわがた虫は、はさみのような大きなあごであいてをたおします。


「森の中でもっとも強いのは、このおれさまだぜ」


 これを聞いた小助は、かぶと虫につづいて強いあいてとのおすもうとあって大よろこびしています。


「おちゅもう(おすもう)! おちゅもう! おちゅもう!」

「それなら、土ひょうの中へ入ってどっちが強いのか力くらべをしようか」


 かぶと虫にかった小助は、くわがた虫をあいてにおすもうをしようと土ひょうへ入ってかまえています。

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