表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
大すきな夏のぼうけんとたんけん
295/343

小助くんのあそびあいて

 おにのお父さんとお母さんは、子どもたちをつれて池のほとりからおくへ向かってすすんでいます。そんな中で、小助は赤おにのお父さんにだかれながらえがおを見せています。


「あのナマズといっしょにあそんだのか」

「たのちかった(楽しかった)! たのちかった!」

「ぼうやは、どんな生きものであっても友だちになりたいんだね」

「うん!」


 お父さんおには、小助がうれしそうに話しているようすをじっとながめています。小助は、けっして近づいてはいけないものであっても気にするそぶりを見せません。


 そして、小助はナマズと池の中で大ぼうけんした時のことを思い出しています。


「ばけものナマズ! ばけものナマズ!」

「あれだけきけんなばけものナマズをこわがらないとは……」


 おにのお父さんは、小助のかわいいえがおを見ながらとまどっています。けれども、小助はお父さんおにがどのようなようすかはまったく分かりません。


 すぐ後ろのほうでは、おにのお母さんがおれきちとあおまるをだっこしながらついていきます。ワン太も、小助のすがたを見ようと後ろから4本足で走りつづけています。


 このようすを空からながめているのは、小助とワン太をこのしまへつれてきたトビです。トビは、小助たちのうごきに合わせるように空中をとんでいます。


「小助くん、ワン太くん、大じょうぶかしら」


 トビは、大きな木に立ち止まりながら小助とワン太のことをいつもしんぱいしています。


 やがて、おにの親子は高い山と森にかこまれた広いばしょへたどりつきました。そこで目に入ったのは、赤おにや青おにの子どもたちのすがたです。


 小助は、おにの子どもの中へ入ってあそぼうとおねだりしています。


「あっちへ行きたい! あっちへ行きたい!」

「それじゃあ、ここでおろそうかな」


 お父さんおには、あそびに行こうとする小助をおろすことにしました。そして、小助はおれきちやあおまるといっしょにおにの子どもたちのところへ向かいました。


「きょうは、新しいお友だちをつれてきたよ!」

「こちゅけ(小助)! こちゅけ! こちゅけ!」


 赤おにのおれきちと青おにのあおまるは、おにの子どもたちに小助をしょうかいしています。小助の頭にはつのがないので、おにの子どもたちから見たらどうしても目立ってしまいます。


「こちゅけくん、どうしてつのがないの?」

「おにのつの! おにのつの!」


 小助は、自分のりょう手を頭につけておにのまねをしています。おにの子どもたちは、自分たちになり切ろうとする小助のすがたを見つめています。


 そんな時、小助はかわいい声を上げながらみんなであそぼうとしています。小助は、どうぶつたちや生きものたちと同じようにおにの子どもたちとなかよくなりたいと思っています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ