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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
大すきな夏のぼうけんとたんけん
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池の中の大ぼうけんと生きものたち

 大きな池では、ばけものナマズが小助をのせてふかいところをおよぎ回っています。小助は、おじいさんのようにやさしいナマズといっしょなのでとてもうれしそうです。


「あっち! あっち!」

「それじゃあ、池のいろんなところへ行ってみようか。はやくおよぎ回るから、しっかりとつかまっていないとおちてしまうぞ」

「うん!」


 ばけものナマズは、池の中をうかんだりもぐったりしながらすすんでいます。その間、小助はナマズにりょう手でつかまりながら池の生きものを見ています。


「ねえねえ! ねえねえ!」

「ぼうや、どうしたのじゃ?」

「あのむち(虫)なあに? あのむちなあに?」

「これはなあ、ゲンゴロウという名前のこん虫だよ。池の中でしんだ小さい魚を食べたりするのじゃ」


 ゲンゴロウは、自分のえさをさがそうと水中をおよぎつづけています。小助は、ナマズにまたがりながらゲンゴロウのようすをじっとながめています。


 その近くでは、かわいいオタマジャクシが同じところへあつまるようにおよいでいます。小助は、そのすがたとうごきを見ながらえがおで大はしゃぎしています。


「わ~い! オタマジャクシ! オタマジャクシ!」

「ぼうや、オタマジャクシはかわいいかな?」

「うん! かわいい! かわいい!」


 オタマジャクシは、大きくなるとカエルになります。小助は、オタマジャクシのすがたを見ながらカエルとなった時にいっしょに鳴き声で歌いたいと思っています。


「ぼうや、池の中にはまだまだ生きものがいるぞ」


 ばけものナマズは、小助をのせながら池のふかいところへふたたびもぐっています。すると、さまざまな魚がおよいでいるのが小助の目に入ってきました。


「わあ~っ! おちゃかな(お魚)! おちゃかな!」

「このお魚は、どういう名前かな?」

「う~ん……」

「これは、フナというお魚じゃ。そして、こっちのお魚はタナゴというのじゃ」


 小助は、ナマズから教えてもらいながら水中をすすむフナやタナゴのようすをながめています。池の中で生きものと出会うたびに、小助はむじゃきなえがおを見せています。


「フナ! フナ! タナゴ! タナゴ!」

「ぼうや、お魚の名前をおぼえるのが楽しいね」

「たのちい(楽しい)! たのちい!」


 こうして、小助はばけものナマズとすっかりなかよくなりました。けれども、そろそろナマズとおわかれしなければなりません。


「そろそろ、いけのそこへもどらないといけないのじゃ」


 ばけものナマズは、小助とおわかれしてからふかいところへもぐろうとしています。小助のほうも、ばけものナマズへ向かって手をふっています。


「またあちょぼう! またあちょぼう!」

「ぼうや、またいっしょにあそんであげるからね」


 小助はナマズとおわかれすると、おにのお父さんとお母さんがまっている池のほとりへもどりました。

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