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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
大すきな夏のぼうけんとたんけん
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新しい友だちとおにの親子

 しまのまん中には、ぽっかりとあらわれた大きな池があります。池のそばでは、小助がおれきちやあおまるといっしょに楽しそうにあそんでいます。


「うんしょ! うんしょ!」

「わっ! わわわっ!」


 おにの子どもたちは、2人がかりで小助とおすもうをとっています。しかし、小助の力いっぱいのおしずもうでどちらもあっけなくまけてしまいました。


「あ~あ、おすもうにまけちゃった」


 おれきちとあおまるは、おすもうでまけたのでちょっぴりくやしそうです。すると、小助はおにの子どもたちと友だちになりたいとかわいい声で話しかけています。


「ずっといっちょ(いっしょ)! ずっといっちょ!」


 小助のかわいい顔つきに、おれきちもあおまるもいつものえがおにもどりました。そして、おにの子どもたちは小助とおたがいにあくしゅをしています。


「こちゅけくん、これからもよろしくね」

「うん! ずっといっちょ!」


 こうして、小助はおれきちとあおまるの2人と友だちになりました。おにの子どもたちは、小助のそばにいるワン太のすがたをじっとながめています。


「こちゅけくん、そこにいる生きものはなあに?」

「ワン太くん! ぼくの友だちだよ」


 赤おにのおれきちは、子犬のワン太をりょう手でゆっくりともち上げています。ワン太のほうも、おにの子どものやさしさにあんしんしています。


 子どもたちが楽しそうな声を上げている中、きものをみにつけた2人の大きな赤おにがそろって近くのほうへやってきました。これに気づくと、おれきちとあおまるはすぐにそっちへ向かってかけよりました。


「ねえねえ! 新しい友だちができたよ!」

「おおっ! それは楽しみだなあ」


 おにのお父さんは、とげのついたかなぼうをかつぎながら自分のかわいい子どもたちを見つめています。その後ろからは、小助とワン太がこちらのほうへかけ足でやってきました。


 そのすがたに、お父さんおには首をかしげています。なぜなら、小助の頭にはおになら生えているはずの2本のつのがないからです。


「むむっ?」

「父ちゃん、どうしたの?」


 おれきちとあおまるは、お父さんのけわしい顔つきをとても気にしています。そんな中、小助は赤おにのお父さんの前へ出てきました。


 赤おにのお父さんは、小助をにらみつけながらことばをかけてきました。


「見たことがないやつだなあ。どこからきたんだ」

「あっち! あっち!」


 小助は、このしまへやってきたほうをゆびでさしています。でも、おにのお父さんはそのばしょへ行ったことがないのでよく分かりません。


 赤おにのお父さんとお母さんがとまどっている中、小助はかわいいえがおでいつものおねだりをしようと声を上げました。


「ねえねえ! ねえねえ!」

「ぼうや、どうしたの?」

「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」


 小助がおっぱいをおねだりするあいては、人間であってもおにであっても同じです。赤おにのお母さんは、やさしい顔つきで小助のほうをながめています。

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