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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
春のきせつはみんなといっしょ
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小助くんとでっかいヘビのたたかい

 森の中では、クマとオオカミのお母さんの前で小助がどうぶつの子どもたちといっしょにいつものおねだりをしています。


「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、しょうがないわね。みんな、こっちへおいで」


 お母さんグマのほうへは小助と子グマたちが、お母さんオオカミのほうにはワン太とちびっこオオカミがそれぞれやってきました。


 小助は、2ひきの子グマとともにお母さんグマのおっぱいをのんでいます。お母さんグマは、自分にあまえようとする小助のかわいい顔をやさしく見つめています。


「ぼうや、おっぱいをたくさんのんでいるわね」


 となりのほうでは、ワン太とちびっこオオカミたちがお母さんオオカミのおっぱいをのみつづけています。小助は、お母さんグマのおっぱいをのみおえるとすぐにお母さんオオカミのところへきました。


「もしかして、おっぱいをまたのみたくなったの?」

「うん!」

「ほかのみんながのみおわるまでまっていてね」


 しばらくして、ワン太たちと入れかわるように小助がお母さんオオカミのおっぱいをのみはじめました。そんな時、大きなヘビが森のおくから向かってじめんをすすんでいるのがクマのお母さんの目に入ってきました。


「はやくにげて! ヘビにかまれたら大へんなことになるわ」


 そのヘビは、ふつうのヘビとくらべてものすごく長くて大きいすがたなので子どもたちでも分かります。クマとオオカミのお母さんは、子どもたちを草むらの中へかくれるようによびかけています。


 しかし、草むらにかくれた子どもたちの中に小助のすがたは見当たりません。じめんをすすんでいるでっかいヘビの目の前には、おっぱいをのみおえたばかりの小助がいます。


「小さいこぞうがおれさまの前にあらわれるとは、いいどきょうだなあ」


 でっかいヘビは、小助をのみこもうとするどいきばを見せるように大きな口をあけました。すると、小助はでっかいヘビの首をりょう手でつかむとあお向けにねころがるようなかっこうになりました。


「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」

「くそっ! よくもおれさまの顔をわらいやがって!」


 小助は、でっかいヘビの首をつかみながらあんよを上げています。このようすに、どうぶつのお母さんたちは草むらからしんぱいそうに見つめています。


「ぼうや! 早くにげて! 早くにげて!」


 お母さんグマは大きな声でさけんでいますが、その声が小助の耳に入ることはありません。

 でっかいヘビはするどいきばをなんども見せていますが、小助があんよで首をしめられているので大きな口をあけておそいかかることができません。


 そして、小助がでっかいヘビをあんよでつかんでうごかないようにしたその時のことです。


「プウッ! プウッ! プウウウウウウウウウウウウ~ッ!」

「うっ! あ、あまりにもくさい……」


 でっかいヘビは、小助からのおならこうげきをいきなり食らってあわてふためいています。しかし、小助によるこうげきはまだまだおわりません。


「ジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」

「わあっ! おれさまの顔に……。や、やめてくれ!」


 小助は、でっかいヘビの顔に元気いっぱいのおしっこをいきおいよくめいちゅうさせています。でっかいヘビは、小助のあんよからはなれると森のおくへもどろうとじめんをすすんでいます。


「お、おぼえてろよ……」

「またあちょぼう(あそぼう)! またあちょぼう!」


 おそろしいヘビが森のおくへきえていくのを見ながら、小助はいつものえがおで手をふっています。あれだけのでっかくておそろしいヘビがどうしてあらわれたのかはまだ分かりません。

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