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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと冬のどうぶつたち
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雪の中でのサルと小助くん

 小助は、今日も雪の中を歩きながら森の中へ入って行きます。どんなにさむくても、小助はいつもはらがけ1まいでへっちゃらです。


「小助くん、そんなかっこうで行ったら……」


 お母さんは、小助のことがしんぱいになって後ろからついていきます。けれども、森の中にはいつもあそんでくれるどうぶつたちが小助をまっています。


 雪の上をしばらく歩いていると、小助は木の上にサルがいるのを見つけました。よく見ると、サルはなにかを口に入れているようです。


「ねえねえ! なにちてるの(なにしてるの)? なにちてるの?」

「小助はいつも元気でうらやましいよ。わしが食べているのは、木のかわというものだ」


 いつもとはようすがちがうサルですが、そこには冬をのりこえるためのくふうがあります。


「冬になって雪がふったら、今までのようにエサをさがそうにもなかなか見つからないからなあ。でも、木のかわだったら冬でも食べることができるのさ」


 サルが自分の口にしている食べものをせつめいしていると、小助が木にしがみつきながらげんきな声でなにかしたがっています。


「いっちょに木のぼり! いっちょに木のぼり!」

「おいおい! 木のえだには雪がつもっているけど大じょうぶか?」

「いっしょにちよう! いっちょにちよう!」

「しょうがないなあ。それじゃあ、小助もわしのところまでのぼってきて」


 小助は、手足をつかいながら木をのぼると太いえだにいるサルのところへやってきました。まわりの木を見ると、いずれも雪がたくさんつもっていることが分かります。


「小助、雪で足をすべらないように気をつけないといけないぞ」

「うん!」


 ほかのきせつとちがって、冬は木のえだにつもった雪で足がすべってしまうことがあります。けれども、サルは雪におおわれた木と木の間を手なれたようすでとびうつっていきます。


「小助もとびうつることができるかな?」


 小助にとって、雪の中で木へとびうつるのは今までやったことがありません。それでも、小助はいつものように少しはなれた木に向かってとび上がりました。


「おっ! 小助もすっかりなれてきたな」


 サルが小助のうごきを見ると、つぎつぎと木から木へと手をつかってとびわたって行きます。小助も、サルの後をついて行こうと手足でとんだり木の太いえだをつかんだりしています。


 そうするうちに、うすぐらい雲から雪がたくさんふり出してきました。小助の前にいるはずのサルは、はげしい雪で後ろすがたを見ることができません。


 木から木へとびうつる小助のすすむ先には、おくのほうから白いけむりらしきものがながれてきました。小助がふしぎそうにながめていると、近くにいけのようなものが見えてきました。


 もっと近くで見ようと小助がつぎつぎと木へとびうつると、先へすすんでいたサルが声をかけてきました。


「小助! わしらのなかまがおんせんに入っているけど、いっしょに入ってみようか」

「おんしぇん(おんせん)! おんしぇん!」


 そこには、いくつもの岩でかこまれた中にあたたかいおゆにつかっているサルのなかまたちのすがたがあります。

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