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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと楽しい冬のきせつ
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よこづなの小助くん

 小助は、お母さんカッパのおっぱいをのみおえるとカッパのぎょうじがいる土ひょうのそばへきました。カッパのぎょうじは、小助のすがたにきづくとすぐに声をかけました。


「おっ! もしかして、よこづなの小助くんかな?」

「うん! よこづな! よこづな!」


 ぎょうじのよびかけを聞くと、小助はすぐに元気な声でことばをかえしました。小助のかわいいへんじは、ぎょうじのほうにもつたわっています。


「じゃあ、これから土ひょうでおとなカッパとおすもうをしてみようかな?」

「わ~い! おちゅもう(おすもう)! おちゅもう!」


 小助は、大すきなおすもうをしようと土ひょうへ上がることにしました。土ひょうのまん中では、小助とおとなカッパがおたがいに向かい合っています。


「はっけよい、のこった!」


 小助は、ぎょうじのかけ声に合わせるようにあいてのカッパの右足にしがみつきました。そして、おとなカッパを引きずるように力いっぱいにおしています。


「うんしょ! うんしょ! うんしょ!」

「わっ、わっ、わわわわわわわっ……」


 おとなカッパは、小助のすさまじい力に土ひょうの上におしたおされてしまいました。どんなに大きなカッパであっても、よこづなの小助くんの力にはかないません。


「あの小助って、あんなに小さい人間の子どもなんだ」

「でも、カッパすもうのよこづなとよばれているくらいすさまじい力のもちぬしだからなあ」


 土ひょうのまわりでは、カッパたちが小助のおすもうを見ながらいろんなことを話しています。そんな声を耳にしながら、小助は土ひょうでつぎのあいてが出てくるのをまっています。


 そこへあらわれたのは、カッパの中でもっとも強いカッパ山という名前のおすもうさんです。カッパ山は、目の前にいる小助をにらみながら土ひょうの上でかまえています。


「どっちもがんばれ!」

「小さなよこづながかつか、それとも新しいよこづながたんじょうするか」


 みんなが見まもる中、小助とカッパ山のとり組みがぎょうじの合図とともにはじまりました。おたがいに組み合いながら、どのようにしてあいてをたおそうかとかんがえています。


 よこづなの小助はカッパ山の右太ももをつかみながら、力いっぱいにあいてをおしたおそうとしています。しかし、カッパ山のほうも力をふりしぼって小助のいきおいを土ひょうぎわで食い止めています。


「こんなところでまけるものか……」

「う~んしょ! う~んしょ! う~んしょ!」

「うぐぐぐぐぐっ、わ、わ、わわわわっ!」


 小助は、ありったけの力でカッパ山をいきおいよく土ひょうの上におしたおすことができました。小さなよこづなのすがたに、まわりで見ていたカッパたちも小助に向かって大きなはくしゅをしています。


 土ひょうから体をおこしたカッパ山は、自分の前にいる小助のかわいい顔をじっとながめています。


「ぼうや、どうしたのかな」

「だっこ! だっこ!」

「ははは、よこづなであってもまだまだ小さい子どもだね」


 カッパ山は、土ひょうにすわったままで小助をりょう手でだっこしています。そんなカッパ山の目の前へ小助をだき上げたその時のことです。


「ジョパジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」

「うわっ!」


 小助は、カッパ山の顔へおしっこをいきおいよくめいちゅうさせています。いきなりのできごとに、カッパ山はなすすべもありません。


「わ~い! おちっこ(おしっこ)! おちっこ!」

「ははは、おすもうだけでなくおしっここうげきにもまけてしまったなあ」


カッパ山は、小助のおしっここうげきにすっかりまいってしまいました。小助による元気いっぱいのおしっこは、おすもうをとる前にお母さんカッパのおっぱいをたくさんのんだおかげです。

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