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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと楽しい冬のきせつ
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小助くんとカッパの親子

 カッパのせなかにのった小助たちは、池のそこを目ざしてもぐりつづけています。小助は、池のそこでカッパたちがあつまっておすもうをしているのを見て大よろこびしています。


「わ~い! おちゅもう(おすもう)! おちゅもう! おちゅもう!」

「小助はカッパとおすもうしたいのかな?」

「おちゅもうちたい(おすもうしたい)! おちゅもうちたい!」


 小助は、カッパとおすもうしてよこづなになりたいと今から楽しみにしています。そんな中、ワン太はカッパたちのおすもうをふしぎそうに見ています。


「あっちでおちゅもうちているのは?」

「あれはねえ、カッパたちがおすもうをしているところだよ」

「カッパたち?」

「はっはっは! ワン太くんはここへくるのがはじめてだから分からないかもしれないね」


 カッパは、小助といっしょにのっているワン太に分かりやすいことばで話しかけています。これを聞いたワン太は、小助とカッパのおすもうを自分の目で見たいと思うようになりました。


 そうするうちに、小助たちをのせたカッパたちは池のそこへやってきました。カッパたちのおすもうは、水草にかこまれたところにある土ひょうの上で行っています。


「はっけよい、のこった!」


 小助は、ワン太やサルといっしょにカッパどうしのおすもうを見ています。どちらのカッパも、土ひょうの外へ力いっぱいにあいてをいっしょうけんめいにおし出そうとしています。


 土ひょうのまん中でおたかいに組み合っているうちに、いっぽうのカッパがすさまじい力でもういっぽうのカッパをおし出しました。


「わあ~っ! ちゅごい(すごい)! ちゅごい!」


 小助は、カッパたちのおすもうを見ながら大はしゃぎしています。そんな時、近くで子どものなき声が小助の耳に入ってきました。


「うえええ~ん! うえええええええ~ん!」


 すぐにふり向くと、小助たちの近くではらがけをつけたカッパの小さい男の子が大声でないているのが目に入りました。


「どうちたの(どうしたの)・」

「かあちゃとはぐれちゃったの……。うえええええええ~ん!」


 このようすを見て、小助たちはさっそくカッパのお母さんをさがすことにしました。小助は、小さいカッパの男の子と手をつないでお母さんさがしをしています。


「かあちゃ……」

「大じょうぶ! 大じょうぶ!」


 小助は、ワン太やサルとともにまわりを見回しながらお母さんカッパをさがしつづけています。すると、男の子カッパの目の先に自分のお母さんらしきすがたを見つけました。


「かあちゃ! かあちゃ!」

「はぐれてしまってごめんね」


 お母さんカッパは、自分の子どもとふたたび顔を合わせるとすぐにだきかかえています。そして、カッパのお母さんはやさしいえがおを見せながら子どもにおっぱいをあたえています。


 小助は、お母さんカッパのそばへ行くとその場からじっとながめています。カッパのお母さんは、自分の子どもと同じようなはらがけ1まいの小助のすがたに気づきました。


 しばらくすると、お母さんカッパはおっぱいをのみおえた自分の子どもを下ろしてから小助に声をかけることにしました。


「ぼうや、どうしたのかな?」


 お母さんカッパのやさしいことばに、小助はすぐにおねだりをしようと元気な声を上げました。


「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」

「ぼうやもおっぱいをのむがすきなんだね」

「うん!」

「それじゃあ、こっちへおいで」


 小助は、お母さんカッパにおんぶされながらすぐにおっぱいをのみはじめました。カッパのお母さんのえがおにかこまれながら、小助はかわいい顔でおっぱいを元気いっぱいにのみつづけています。

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