どうくつの中で大きなおなら
小助たちは、かわいいおばけと火の玉の後ろからついて行きながらどうくつのおくへ向かっています。そんな中で、ワン太はサルの後ろにかくれながら4本足ですすんでいます。
「ワン太、どうしたんだ」
「おばけがこわい……」
「まったく、なさけないなあ」
ワン太は、小助の前にいる火の玉を見るのがこわくてたまりません。でも、どうくつのおくにあるカッパ池へ行くにはここを通るしかほかはありません。
そんな中、どうくつのとちゅうには大きな羽を広げたおそろしい生きものがまちかまえています。
「小助、どうくつにはコウモリがいるから気をつけないと……」
「コウモリ! コウモリ!」
どんなにサルがちゅういしても、小助はまったく気にしていないようすです。そうするうちに、コウモリたちが小助たちに向かっておそいかかってきました。
サルは、ワン太とともにどうくつの出口のほうへにげようとします。しかし、どうくつから出るためにはふりつもった雪のかべをのぼらなければなりません。
この間も、小助のまわりにはコウモリのむれがとりかこんでいます。これを見たサルは、すぐに小助へ大きな声でさけんでいます。
「小助、そこにいたらきけんだぞ!」
けれども、サルのさけび声が小助の耳に入ることはありません。小助は、どうもうなコウモリであってもこわがるそぶりを見せずにその場に立ちつづけています。
「このチビ、ずっと立ち止まったままだぜ」
「ふひひひひ! ここからにげないとは、いいどきょうをしているなあ」
コウモリは、小助がにげないのを見てすぐにとびかかってきました。小助は、目の前にせまったコウモリのこうげきをかわそうとすぐにしゃがんみました。
そんな時、どうくつの中でみごとなおならの音が元気いっぱいにひびきわたりました。
「プウッ! プウウウウウウウウウウウウウ~ッ!」
「こんなところでおならを……」
「く、くさい……」
小助は、まわりにいるコウモリたちへでっかいおならを食らわせています。あまりにもくさいおならに、コウモリたちはあわててどうくつのおくへとにげるようにさっていきました。
サルとワン太は、コウモリがいなくなったかどうかたしかめようと小助のところへもどってきました。小助のまわりコウモリがいないのを見て、2ひきがホッとしていたその時のことです。
「プウッ! プウッ! プウウウウウウウウウウウウウウ~ッ!」
ここで、小助は2回目のでっかいおならをサルとワン太の前でしてしまいました。サルもワン太も、小助のおならを食らうとその場でたおれこみました。
「く、くちゃい(くさい)……」
「小助のおなら、あまりにもくさくてたまらない……」
「てへへ、おならいっぱい出ちゃった」
小助は、でっかいおならを2れんぱつするといつものかわいいえがおにもどりました。どうくつにひびきわたる大きなおならは、小助がいつも元気いっぱいであるりっばなしょうこです。




