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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと楽しい冬のきせつ
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冬のどうくつたんけん

 冬の空からは、はげしい雪がふりつづいています。そんな中であっても、小助とワン太は外へ出て元気いっぱいにかけ出しています。


 白い雪がたくさんつもっている中、小助は雪の中に足がはまってしまいました。でも、小助はそんなことを気にすることはありません。


「わ~い! 雪だ! 雪だ!」


 小助は、なんども足が雪にはまりながらも森の中へすすんで行きます。その間も、ワン太は4本足で雪の上を走りつづけています。


 これから向かうところは、森のおくにあるどうくつです。小助は、雪のつもった森の通り道を何とかすすんでいます。


 すると、雪におおわれた大きな木の太いえだにサルがすがたをあらわしました。サルは、ふかい雪の中をすすむ小助とワン太に声をかけてきました。


「おっ! 小助か」

「サルさん! サルさん!」


 サルは、雪がふる冬の間も森の中で木のかわを食べるなどしながらすごしています。そんな時、森のまん中を通りかかった小助たちのようすを木の上からじっとながめています。


「これからどこへ行くの?」

「どうくつ行こう! どうくつ行こう!」


 小助は、サルもいっしょにつれて行こうと元気な声でよびかけています。サルは、どうくつへ入った先に何があるのかよく知っています。


「小助、どうくつの中には何がいるか分からないから気をつけないといけないぞ」


 サルは、この目で小助たちを見まもろうといっしょに行くことにしました。じめんのほうには雪がつもっているので、サルはどうくつの手前まで木にとびうつりながら小助たちの後ろからついて行きます。


 小助は、どうくつに向かってあるくたびに足が雪の中にはまってしまいます。それでも、小助はいつものかわいいえがおで大はしゃぎしています。


「雪だ! 雪だ! たのちいなあ(楽しいなあ)」


 うすぐらい雲からは、雪がはげしくふりつづいています。小助たちは、どうくつのあるばしょへようやくたどり着きました。


 けれども、そのどうくつは雪がたくさんつもっているので上のほうしか見えることができません。どうくつへは、わずかに見えるところから入ることになります。


「これだけ雪がつもっているから、小助もワン太もゆっくりと入るんだぞ」


 サルは、小助たちよりも一足先にわずかなすき間からどうくつへ入りました。それにつづくように、ワン太もどうくつの中へ入っていきます。


「うんしょ! うんしょ!」


 さいごに、小助がどうくつへ入ろうとすき間を通ろうとしています。どうくつのすき間は、小助の小さな体がぎりぎり入るくらいのせまいところです。


 すき間をすりぬけると、小助は雪のかべからどうくつの中へ入るようにとびおりました。どうくつの出入口を見ると、小助の体よりも高くふりつもった雪でほとんどふさがっているのが分かります。


 どうくつのおくには、カッパのせかいへ行くための池があります。しかし、そこへ向かうにはくらやみの中を通らなければなりません。


「こちゅけくん(小助くん)、まっくらで見えないよ~」


 ワン太は、くらやみがこわくて小助の足にしがみついています。そんな時、どうくつの中がほのかに明るくなってきました。


「わあっ! こ、こわいよう……」

「ワン太くん、大じょうぶ! 大じょうぶ!」


 どうくつのおくからは、火の玉がいくつもとんでいます。ワン太は、小助の後ろにかくれたまま前へ出ようとはしません。


 すると、小助の目の前にはかわいいおばけがあらわれました。小助は、空中をういているおばけのすがたに大よろこびしています。


「ぼうや、ひさしぶりだね」

「わ~い! おばけさん! おばけさん!」


 小助は、友だちであるかわいいおばけに会えてとてもうれしそうです。

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