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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと楽しい冬のきせつ
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てっぺんの大きな池のこおりの上で

 おっぱいをのみおえると、小助はお父さんかいじゅうにいつものおねだりをしています。


「だっこ! だっこ! だっこ!」

「はっはっは! あいかわらず元気いっぱいだなあ」


 お父さんかいじゅうは、小助をりょう手でだっこしながらどうくつから外へ出ることにしました。空を見上げると、あいかわらず雪がたくさんふりつづいています。


「わ~い! 雪だ! 雪だ!」

「ぼうやは雪を見るのが大すきなんだね」

「うん!」


 小助は、どんなにさむい時であってもはらがけ1まいでへっちゃらです。かいじゅうのお父さんは、かわいい顔つきの小助をやさしい目つきでじっと見つめています。


「あっち! あっち!」

「もしかして、てっぺんへ行きたいのかな?」

「うん! てっぺん! てっぺん!」


 お父さんかいじゅうは、小助をだきかかえながらてっぺんへ向かってすすんでいます。どうくつにいたケモスケやワン太、ちびっこオオカミも後ろのほうからついて行きます。


 てっぺんには、こおりにおおわれた大きな池が目の前に広がっています。小助は、いつもとはちがった池のようすに大よろこびです。


「ちゅべりたい(すべりたい)! ちゅべりたい!」

「この池をすべりたいんだね」

「うん! うん!」

「気をつけてすべるんだぞ」


 かいじゅうのお父さんは、だっこをしていた小助を下ろすことにしました。小助のそばには、ケモスケやどうぶつの子どもたちがあつまっています。


「小助くん、ぼくが先にすべるから」


 ケモスケは、さっそく池のこおりの上に足をのせて前へすすもうとしています。しかし、その場で足をすべらせておしりからこけてしまいました。


 そのとなりでは、小助が池のこおりにのりながらりょう足ですべりつづけています。すぐ後ろでは、小助といつもいっしょのワン太が4本足ですすんでいます。


 広い池のこおりの上をすべる小助たちですが、うすぐらい雲の上からはゴロゴロとかみなりの音が聞こえてきました。


「こちゅけくん(小助くん)、こわいよう……」


 ワン太は、小助の足にしがみつこうとします。すると、小助はこおりの上で足をとられると思わずしりもちをついてしまいました。


「ちりもち(しりもち)ついちゃった」


 とちゅうでしっぱいしても、小助は気にしないでかわいいえがおを見せています。小助はふたたびこおりの上へ立つと、ワン太といっしょに池のまわりをすべっていきます。


 うすぐらい雲から雪がふりつづく中、空からはかみなりがなんども鳴りひびいています。かみなりがこわいワン太は、こおった池から出てお父さんかいじゅうの後ろにかくれています。


「かみなりがこわい……」


 そんな時、うすぐらい雲からだれからおちてくるのが見えてきました。小助は、おちてくるところへ向かってすべっていきます。


「うわああああっ!」


 空の上からおちてきたのは、かみなりの子どもであるゴロ太です。小助は、こおりの上に立ちながら自分より大きなゴロ太をりょう手でうけ止めました。


「あれっ、ここはどこなんだ?」


 ゴロ太は、今まで見たことのないばしょにとまどっています。そして、小助がどうしてこのばしょにいるのかさっぱり分かりません。


 そんなゴロ太のようすに、小助はひさしぶりに会うことができてとてもうれしそうです。ゴロ太のほうも、小助のかわいい顔を見てえがおをみせるようになりました。


「ねえねえ! ねえねえ!」

「小助、どうしたんだ」

「ゴロ太くん、おちゅもうちよう(おすもうしよう)! おちゅもうちよう!」

「しょうがないなあ。小助にはぜったいにまけないからな」


 小助は、雪がふりつづく中で大すきなおすもうをゴロ太とするのを今から楽しみにしています。

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