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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
山おくの秋は楽しいきせつ
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小助くんとはっぱとどんぐり

 秋がすすむにつれて、森の木のはっぱもしだいに色づいてきました。


 小助はワン太といっしょに森の中へ入ると、はっぱの色を見ようと大きな木にのぼろうとしています。


「うんしょ! うんしょ!」


 木のぼりをしていると、いろんな色のはっぱが小助の目に入ってきました。そこにはみどり色のはっぱもあれば、黄色のはっぱも茶色のはっぱもあります。


 さらにのぼっていると、小助の目の先にサルのすがたが見えてきました。木のぼりの名人であるサルは、森のいろんなことを知っています。


「ねえねえ! ねえねえ!」

「小助、どうしたんだ」

「はっぱ! はっぱ! はっぱ!」


 どうやら、小助ははっぱのことをもっと知りたいようです。サルは、はっぱの色がどうしてかわるのかを小助に教えることにしました。


「ここにあるはっぱの色は、いつもどんな色をしているのかな」

「みどり! みどり!」

「その通りじゃ。この森にあるたくさんの木は、みどり色のはっぱでおおわれているわけさ」


 サルは、いつも森の中でくらしているのではっぱのことはお手のものです。小助は、太いえだにすわってサルが教えることをじっと聞いています。


「では、みどり色のはっぱがどうして色がかわるのか分かるかな?」

「う~ん……」


 小助はまわりの木をなんども見ていますが、どうしてはっぱの色がかわるのかまだ分かりません。すると、サルはみぶり手ぶりで小助につたえようとしています。


「それはねえ、あつい時からさむい時へきせつがかわるからだよ」

「きせつが?」

「さらにさむくなると、茶色いはっぱがじめんにおちばとしてつぎつぎとおちていくの」

「おちば! おちば! おちば!」

「小助は、おちばであそぶのが大すきなんだね」


 そんな時、小助たちの上にある太いえだをリスがすすんでいるのに気づきました。リスは、なれた手つきでとなりの木へとびうつりました。


「わあ~っ! ちゅごい! ちゅごい!」


 小助は、リスの後をついて行こうと大きな木からじめんのほうへおりることにしました。ワン太といっしょにすこしすすむと、どんぐりをあつめているリスのすがたが見えてきました。


「どんぐりだ! どんぐりだ!」

「これはねえ、冬にそなえて今からあつめているところなんだ」


 リスはどんぐりを集めると、小助たちのそばからはなれてふたたび自分のすみかへ向かってもどることにしました。それと入れかわるように、木からおりたサルが小助たちのところへやってきました。


「秋というのは、木のはっぱの色がかわったり、どんぐりがみのったりするのにぴったりのきせつだよ」

「はっぱもどんぐりも?」

「そうさ。まわりをよくかんさつすれば、いろんな秋に出会えるぞ」


 小助とワン太は、サルが教えてくれた通りに森の中にある秋をさがそうと大はしゃぎしながらかけ回っています。

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