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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
山おくの秋は楽しいきせつ
262/343

でっかいイモと元気いっぱいの小助くん

 小助は、お母さんよりも一足早くイモばたけへやってきました。大すきなイモをほり出すとあって、小助は今から楽しみにしています。


 そのイモばたけには、子犬のワン太がしっぽをうれしそうにふりながら小助のそばへ近づいてきました。


「おイモ! おイモ! おイモ!」

「こちゅけくん(小助くん)、早く食べたいよう」


 イモばたけには、みどり色の大きなはっぱが広がっています。小助たちがそのようすをじっと見ていると、お母さんが木ぐわを手にしながらイモばたけへ入ってきました。


「さあ、イモをほり出そうかな」


 お母さんのかけ声に、小助はさっそくはたけの中を自分の手でかき出すようにほりはじめました。しばらくほりつづけると、大きなイモがつぎつぎと出てきました。


「かあちゃ! でっかいイモ! でっかいイモ!」


 小助は、はっぱのついたつるの根っこにたくさんある大きなイモをお母さんのところへもってきました。お母さんは、小助がもっている大きなイモをやさしい顔つきで見つめています。


「小助くん、いっぱいほり出したね」

「うん!」


 この後も、小助は土の中で見つけたでっかいイモをどうぐをつかわないでほり出しています。ワン太も、小助がほっているイモがどこにあるのか手つだっています。


 小助は、自分の力でほり出したイモをお母さんがもってきた竹かごへ入れています。竹かごの中は、大きなイモがぎっしりとつまっています。


「まだまだほり出さないといけないけど、今日はこのへんでおわりにするかな」


 お母さんのほうの竹かごも、たくさんのイモでいっぱいになっています。小助はイモがたくさん入った竹かごをせおってから、同じようにイモがいっぱい入っているもう1つの竹かごをもち上げています。


 こうして、小助は大きなイモが入った2つの竹かごを自分の家へもっていくことにしました。


「おイモ! おイモ!」

「小助くん、後でやきイモを作ってあげるからね」

「わ~い! やきイモ! やきイモ!」


 小助は、大すきなやきイモを食べることができるとあってとてもうれしそうです。ワン太のほうも、小助といっしょにやきイモを食べるのを楽しみにしています。


 家へもどると、小助はイモがたくさんつめこんでいる2つの竹かごを日の当たらないおくのほうへおいています。お母さんは、その中からいくつかとりだしてやきイモを作っています。


「小助くん! ワン太くん! やきイモができたわよ」

「わあ~い! やきイモ! やきイモ!」


 小助は、お母さんが作ってくれたやきイモを口に入れてほおばっています。お母さんは、大すきなイモを食べている小助のすがたを見ながらほほえんでいます。


「やきイモ、おいしいかな?」

「うん! おいちい(おいしい)! おいちい!」


 ワン太のほうも、できたてのやきイモを口にくわえながら食べています。その間も、小助はでっかいやきイモをもう1つ食べようとしています。


 すると、小助はやきイモをたべているとちゅうでおならの音が出てしまいました。


「プウッ、プウウウウウウウ~ッ」

「あらあら、おなら出ちゃったの?」

「てへへ、出ちゃった」


 どうやら、小助はやきイモをたくさん食べたことで元気なおならが出ちゃったようです。小助の元気なすがたに、お母さんもやさしいえがおで見つめています。


 そんな時、小助はイモを食べおわるとその場からすぐに立ち上がりました。小助は、ワン太といっしょにかけ足で外へ向かって走り出しました。


「それじゃあ、もういちどはたけへ行ってみるかな」


 お母さんは、小助たちのいるばしょへ行こうと木ぐわをもって外へ出ました。すると、イモばたけにいる小助はお母さんにあるものを見せようと手をふっています。


「かあちゃ、こっち! こっち!」

「小助くん、でっかいうんこをしたのかな?」

「うん!」


 小助とワン太のそばへやってきたお母さんは、はたけの上にあるでっかいうんこをじっとながめています。それは、元気いっぱいの黄色いうんこです。


「ふふふ、やきイモを食べたおかげで元気なうんこが出たね」

「うんこ出た! うんこ出た!」


 お母さんは、小助がしたばかりのうんこを木ぐわで土といっしょにたがやしています。来年も、でっかいイモがたくさんみのるのを小助たちは楽しみにしています。

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