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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと夏のどうぶつたち
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小助くんとおそろしい犬たちのたたかい

 大きな池から上がった小助たちは、うっそうとしげった森の中をすすんでいます。小助が前へ向かって山道を歩いている中、後ろのほうでは子グマたちがお母さんグマにしがみついたままでうごこうとはしません。


「どうちたの(どうしたの)?」

「だ、だってこわいんだもん……」


 山道のとちゅうには、こわい犬が草むらの中へひそんでいます。だからといって、ここに立ち止まったままではかいじゅうたちのことろへたどりつくことはできません。


「いつもいっちょ(いっしょ)! いつもいっちょ!」

「本当に大じょうぶかなあ」


 小助は、ケモスケに早く会おうと子グマたちをつれて元気いっぱいにかけ出しました。お母さんグマは、小助たちから目をはなさないように後ろからついて行きます。


 そんな時、小助は草むらから何やらガサガサする音が耳に入ってきました。草むらへ近づこうとすると、いきなりおそろしい犬が大きな口をあけておそいかかってきました。


 子グマたちは、あわててにげるとすぐにお母さんグマの足へしがみつきました。


「こ、こわいよ……」

「お母さんがちゃんとまもってあげるから、ここからうごいたらダメだよ」


 お母さんグマは、自分の子どもをこわい犬からまもろうといっしょうけんめいになっています。それよりもしんぱいなのは、自分からどうもうな犬とたたかおうとする小助のことです。


「ぼうや、大じょうぶかしら……」


 そんなしんぱいをよそに、小助はどうもうな犬へ向かっていきます。


「このチビね、おれに向かってくるとはなあ」

「んぐぐぐぐぐぐっ、んぐぐぐぐぐぐぐっ……」


 こわそうな犬があいてでも、小助はすさまじい力で相手をおしたおそうとしています。でも、どうもうな犬は1ぴきだけではありません。


 小助のまわりには、6ぴきのおそろしい犬たちがほえながらとりかこんでいます。目の前のえものにかみつこうと、どうもうな犬たちは小助につぎつぎと向かってきました。


「うわっ!」


 どうもうな犬たちからのこうげきをかわそうと、小助はそばにある木のすぐ上にある太いえだにとびつきました。そこから、小助はりょう手でぶら下がりながらもどうもうな犬たちへ元気いっぱいの音を鳴りひびかせました。


「えいっ! プウウウウウウウウウウウウウウウウ~ッ」

「うっ、くさっ!」

「このチビめ、こんなにくさいおならをするとは……」


 小助は、こわそうな犬たちに向かってすさまじい音のおならを食らわせることができました。どうもうな犬たちは、あまりにもくさい小助のおならを前にすぐさま草むらの中へあわててもどって行きました。


 これを見たクマの親子は、すぐに小助のところへかけよりました。お母さんグマは、どうもうな犬をげきたいした小助にやさしいことばをかけています。


「ぼうや、よくがんばったね」

「てへへ、おならいっぱい出ちゃった」


 お母さんグマは、いつものかわいいえがおを見せる小助のすがたをやさしく見つめています。小助たちは、かいじゅうたちのいるところへ向かって山道をふたたび歩き出しました。

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