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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと冬のどうぶつたち
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小助くんと冬のオオカミたち

 いよいよ、小助がいる家がある山おくにも冬がやってきました。うすぐらい空からは、雪がたくさんふっています。


 その雪は、かやぶきのやねにもたくさんつもってきました。畑のほうも、つもった雪でおおわれています。


 お母さんは、いろりの前で小助がとってきたかきのみをほしがきにしようとひもに通しているところです。そんな時、小助は雪の中であそぼうと引き戸をあけています。


「小助くん、そんなかっこうで外へ出たら……」


 外へ出るのを止めようとしたお母さんですが、小助は雪の中に足を入れるように前へ歩いています。小助は、どんなにさむくてもいつもはらがけ1まいでうごき回ります。


 雲から雪がふりつづく中、小助は小さい体で森のほうへ入って行きます。すると、小助はつもった雪を手ですくいながらあつめています。


「うんしょ! うんしょ!」


 何回もあつめた雪をかためると、小助の足元に小さな雪玉ができあがりました。そんな小助のようすを、お母さんは近くの大きな木にかくれながらしんぱいそうに見ています。


 小助は、小さい雪玉をゴロゴロころがしながら前へすすんでいます。森の中をすすむうちに、小さい体ではこぶ小助の雪玉はしだいに大きくなってきました。


 そこへあらわれたのは、小助とよくあそぶちびっこオオカミです。後ろからは、おとなのオオカミが何びきもやってきました。オオカミたちは、冬ごもりをしないで雪の中を歩いています。


「ねえねえ! あちょぼう(あそぼう)! あちょぼう!」


 雪がふりつづく中であっても、小助は大すきなどうぶつたちといつもあそぶのが楽しみです。小助はさっそく、ちびっこオオカミとおすもうをしたりとじゃれあっています。


「うんしょ! うんしょ!」

「うわっ! 3びきがかりでやっても、小助くんの強さにはかなわないよ」


 ちびっこオオカミは、小助の力いっぱいのおすもうにたじたじです。すると、そばにやってきたお母さんオオカミが子どもたちにやさしく声をかけてきました。


「さあさあ、こっちへおいで」


 ちびっこオオカミは、お母さんオオカミのおっぱいをのもうとしているところです。小助は、おっぱいをのんでいるちびっこオオカミのようすをじっとながめています。


「ねえねえ、ねえねえ」

「ぼうや、どうしたのかな」

「おっぱい! おっぱい!」


 小助は、お母さんオオカミにおっぱいのおねだりをしています。お母さんオオカミは、ちびっこオオカミがおっぱいをのみおえるとすぐに小助をよびました。


「ぼうやもこっちへおいで」

「うん!」


 雪の上であおむけになった小助は、お母さんオオカミのおっぱいをのみ始めました。そのかわいい顔つきに、お母さんオオカミもやさしい目で見つめています。


 小助はおっぱいをたくさんのむと、少しくるしそうな顔つきであんよを上げています。このようすに、お母さんオオカミがしんぱいそうに見ていたその時のことです。


「ジョパジョパジョパ、ジョパジョパジョジョジョジョジョジョ~ッ」

「ふふふ、やっぱりおしっこがしたかったのね」


 小助はあんよを上げたままで、おしっこを上へ向かっていきおいよくとびだしました。げんきいっぱいのおしっこは、ふりつもった雪の上でしだいにこおりつきました。


「わあ~い! ちっこ出た! ちっこ出た!」

「あらあら、ぼうやのおしっこ、みごとなこおりのはしらができたね」


 おしっこでできたこおりのはしらに、小助はげんきなえがおでよろこんでいます。そんな小助のすがたに、お母さんオオカミもやさしく見つめています。

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