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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんとおいしい秋のみのり
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みんなでくりひろい

 小助は、どうぶつたちといっしょに森のおくへすすんでいます。これからみんながとりに行くのは、秋のきせつにぴったりのくりのみです。


 リスの兄弟は、くりひろいが今から楽しみでたまりません。


「くりのみ、たくさんひろえたらいいね」

「イガイガがあるから、とるときには気をつけないといけないぞ」

「はっはっは、くりとくるみには目がないんだから」


 木のぼり名人のリスが大すきな食べものがくりとくるみなのは、ほかのどうぶつたちもよく知っています。


 しばらく歩くと、じめんにくりのみがたくさんおちています。でも、その中にはイガイガがついているものもあります。


「わあっ! くりのみ! くりのみ!」


 小助は、すぐにくりをひろってはせなかにせおっている竹かごの中へ入れています。ほかのどうぶつたちも、つぎつぎとくりのみを手にしています。


 すると、リスの兄弟はすぐにくりのみをかじりながら食べはじめました。その食べっぷりは、ほかのどうぶつたちが見てもかわいらしいものです。


 でも、そのままかじって食べることができるのはリスたちだけです。それは、くるみやどんぐりであっても同じです。


「あんなにかたいのをそのままかじることなんて、おれにはできないや」


 ふだんはタヌキとはり合っているキツネも、リスたちの食べっぷりにはかないません。


 その間も、小助はじめんにあるくりをひろってはかごの中へ入れるのをくりかえしています。けれども、イガイガの中に入っているくりにはまだ手をつけていません。


「小助! イガイガにさわったらとてもいたいぞ!」


 サルがちゅういしようとさけんでも、小助はイガイガの中にあるくりをとろうとむちゅうになっています。


「う、うううっ、うええええええええええ~んっ!」


 今までイガイガがどういうものか知らなかった小助は、くりをとろうと手のひらでイガイガをおさえてしまいました。あまりのいたさに、小助は大声でなき出しています。


 そんな小助にかけよってきたのは、いつも子グマといっしょのやさしいお母さんグマです。お母さんグマは、小助の手をやさしくさすっています。


「ぼうや、そんなになかなくても大じょうぶだからね」


 お母さんグマのやさしい声に、小助はすぐになきやむといつもの明るいえがおにもどりました。


「くりをとるときは、イガイガにさわらないように気をつけようね」

「うん!」


 小助は、やさしくちゅういするお母さんグマの声を聞きながらうなずいています。そばにいる子グマも、お母さんグマと小助がはなしているようすをながめています。


「あらあら、じっと見ているけどどうしたのかな」

「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」


 小助と子グマは、お母さんグマにおっぱいのおねだりをしています。お母さんグマは、さっそく小助たちにおっぱいをあたえることにしました。


 ほかのどうぶつたちも、小助がおっぱいをのんでいるようすをじっと見つめています。


「やっぱり、小助はくりよりもお母さんグマのおっぱいが大すきなんだなあ」


 おいしい食べものがみのる秋ですが、小助はまだ赤ちゃんとあっておっぱいをまだまだかかすことはありません。

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