表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
春の山おくはにぎやか
223/343

どうくつたんけんとばけものムカデ

 小助とワン太は、森の中をおくのほうへに向かって走っています。後ろのほうからは、子グマたちとちびっこオオカミたちがいっしょについて行きます。


 少し先へすすむと、大きなどうくつが小助たちの目に入ってきました。このどうくつのいちばんおくにはカッパ池という大きな池があります。


 ひさしぶりのどうくつたんけんとあって、小助は今からカッパたちと会うのがとても楽しみです。でも、ワン太はこのどうくつへ入ったことはないし、カッパたちのすがたを見たこともありません。


「こちゅけくん(小助くん)……」

「大じょうぶ! 大じょうぶ!」


 小助は、どうくつを前にしておびえるワン太をえがおではげましています。どうぶつたちもあつまったところで、いよいよどうくつの中へ足を入れようとしています。


「どうくつ、どうくつ、たのちいなあ(楽しいなあ)!」


 カッパたちとのおすもうを楽しみにしながら、小助は元気いっぱいにすすんでいます。さっきまでくらかったどうくつの中は、いつの間にかほのかに明るくなってきました。


 そこへあらわれたのは、かわいいおばけと火の玉のすがたです。これを見たワン太は、おびえるように小助の足にしがみついています。


「こ、こわいよう……」

「ワン太くん、こわくないよ」


 ワン太は、小助からかわいい声でのよびかけを聞くとかわいいおばけの顔をもういちど見ています。


「こわくなくてよかった……」

「おばけさん! いっちょに(いっしょに)行こう! いっちょに行こう!」


 かわいいおばけは、小助たちをどうくつのおくへつれていこうとあんないしています。そんなとき、おくのほうからじめんをすすむばけものムカデが目に入ってきました。


 すると、小助はそのばけものムカデに木のほそいえだをもって近づきました。ムカデの顔につんつんさせながら、小助はキャッキャッとわらい声を上げています。


「このチビめ、よくもバカにしやがって!」

「わっ!」


 おこったばけものムカデは、目の前にいる小助におそいかかってきました。小助は、ムカデのこうげきにすぐさまとびこえるようにかわしました。


「こしゃくなチビめ、ここからにげようたってそうはいかないぜ」


 ムカデは、向きをかえると後ろすがたの小助にふたたびこうげきしようと近づいてきました。そんな時、小助はしゃがみこむと同時に元気いっぱいの音を鳴りひびかせました。


「プウッ! プウッ! ププウウウウウウウウウウウウ~ッ!

「うっ! お、おならがくさくてたまらない……」


 小助のでっかいおならは、ばけものムカデへみごとにめいちゅうさせました。ばけものムカデは、すさまじいおならのにおいにたまらないようすです。


 そんなムカデに、小助は元気いっぱいのおならをもういちど食らわせています。


「プウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ~ッ」

「か、かんべんしてくれよ……」

「またあちょぼう(あそぼう)! またあちょぼう!」


 ばけものムカデは、これいじょうのおならこうげきにたえられなくなっておくのほうへにげていきました。小助は、ムカデがさっていくすがたを見ながらえがおで手をふっています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ