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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんとおいしい秋のみのり
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だいだい色のかきのみ

 小助は竹かごをかつぎながら、いつものように森の中を歩いています。お母さんも、小助のようすを見ようと後ろからついて行きます。


「わ~い! かきのみ! かきのみ!」


 森の中には、かきのみがなっている木がいくつかあります。今日は、どうぶつたちといっしょにかきのみをとります。


 かきの木の前にいるのは、木のぼりの先生であるサルです。サルは、かきのみをとるのがうまい名人でもあります。


「おっ! 小助もかきのみをとりにきたのか」

「うん!」

「あいかわらずげんきいっぱいだなあ。わしがかきのみをどうやってとるのか、よく見てくれよな」


 サルは手なれたようすで木をのぼると、だいだい色のかきのみを右手でつかみとりました。すぐさま木の上からとびおりると、サルはとれたてのかきのみをかじりながら食べはじめました。


「小助も、かきのみがいっぱいあるあの木へのぼってごらん」


 小助はサルから声をかけられると、目の前にある木へ向かいました。その木にしがみつくと、小助は手足を使って上のほうへのぼっていきます。


「よいしょ、よいしょ」


 かわいい声を上げながらのぼりつづけると、たくさんのかきのみが小助の目の先にあります。


「わあっ! かきのみ! かきのみ!」


 小助はむちゅうになってだいだい色にみのったかきを手にしています。小助のいる木のそばには、おかあさんがかごをもってまちかまえています。


「小助くん! かきのみをかごの中に入れることができるかな?」


 お母さんのよびかけに、小助はかごの中に入れようとそのままおとしました。小助は、かごでかきのみをうけとめたお母さんを見るとその後もつぎつぎとかきのみをとっていきます。


 そんな時、お母さんグマが子グマたちをつれてかきの木のそばを歩いています。かきのみをとっている小助のすがたは、お母さんグマの目に入っています。


 小助は、木のえだの先にあるかきのみをとろうと右手をのばそうとします。


「うぐぐぐぐぐっ……」

「小助! そんなことしたらおちてしまうぞ!」


 お母さんやサルは、しんぱいそうに小助のようすを見ています。このままじめんにおちたら大ケガをしてしまうからです。


 それでも、小助はかきのみをとろうとひっしになっています。そして、小助がえだの先にあるかきのみを手にしたその時のことです。


「うわっ、わわわわっ!」


 小助は、かきのみをもったままでじめんに向かっておちてしまいました。すると、お母さんグマがすぐさま小助をたすけようとします。


「ぼうや、だいじょうぶ?」


 お母さんグマは、上からおちてきた小助をだきかかえるようにうけ止めています。そんな中にあっても、小助はかきのみをとったのをお母さんグマに見せようとしています。


「かあちゃ! 見て見て! かきのみをとったよ!」

「それはよかったね。でも、あんまりきけんなことはしないでね」


 お母さんグマのやさしさに、小助はいつものおねだりをしようとげんきな声を出そうとします。


「おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、ぼうやはやっぱりおっぱいをのむのが大すきなんだね」


 小助は、お母さんグマのおっぱいをいっぱいのんでいます。このようすに、小助のお母さんやほかのどうぶつたちもやさしい目で見つめています。


 こうして、小助がとったかきのみはしぶがきを作るためのざいりょうとしてお母さんといっしょにもって帰りました。

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