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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
白い雪とこおりで元気にあそぶ小助くん
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どうもうな犬におしっことおならをめいちゅうさせたよ!

 小助とワン太は、お母さんかいじゅうのそばへやってきました。やきイモを食べたばかりですが、小助たちはいつものおねだりをしようとかわいい声を上げました。


「かあちゃ、おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、しょうがないわね。さあ、こっちへおいで」


 お母さんかいじゅうは、自分にあまえようとする小助とワン太をやさしくだきしめています。小助たちは、さっそくかいじゅうのお母さんのおっぱいをのみはじめました。


 小助がどんな時でも元気いっぱいなのは、自分のお母さんだけでなく、どうぶつたちのお母さんのおっぱいをたくさんのんでいるおかげです。かいじゅうのお母さんも、おっぱいをのみつづける小助のかわいい顔をほほえましそうに見つめています。


「ぼうや、いっぱいのんで大きくなろうね」


 お母さんかいじゅうは、ここにいる子どもたちがすくすくと大きくなってほしいとねがっています。そんな小助とワン太が、おっぱいをずっとのみつづけている時のことです。


 ワン太は、はなのにおいでほらあなのほうへ近づく何かのけはいに気づいました。おびえたようすのワン太は、かいじゅうのお母さんからはなれようとはしません。


 これを見た小助は、ほらあなから出ようとすぐにかけ出しました。かいじゅうたちは、雪がつもってさむい中で外へ出た小助のことをしんぱいしています。


 ふかい雪に足をとられながらも山道をおりると、小助のすぐ前におそろしい犬が何びきもやってきました。どうもうな犬は、小助のすがたを見るたびにするどい目つきでにらみつけています。


「ちっ! このチビめ、またここへきたのか」

「ねえねえ! あちょぼう(あそぼう)! あちょぼう!」


 小助は、かわいい声を上げながらどうもうな犬に近づこうとします。すると、おそろしい犬たちは小助に向かっておそいかかろうとかまえています。


「わっ!」


 とつぜんのできごとに、小助は思わず雪の上をすべらせてあお向けにたおれこんでしまいました。どうもうな犬は、小助の手前で立ち止まるといっせいに大きな口をあけてかみつこうとします。


 その間、小助はおしっこをガマンできずにあんよを上げようとしています。それに気づかずに、おそろしい犬は小助にいっせいにとびかかってきました。


「ジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」

「うわっ!」

「い、いきなりおしっこを……」


 小助は、自分のおしっこをいきおいよくどうもうな犬の顔につぎつぎとめいちゅうさせています。どうもうな犬たちは、小助のおしっこをいきなり顔にかけられてたまらないようすです。


「よくもやりやがったな……」


 犬たちは、おそろしい顔つきでにらみながら小助に向かってほえています。ふたたびおそいかかったどうもうな犬たちの前で、小助はあんよを上げたままで元気いっぱいの音を出そうとしています。


「プウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ~ッ」

「うげっ!」

「く、くさいおなら……」


 小助は、どうもうな犬に向かってすさまじいおならを食らわせています。しかし、おならが出るのは1回だけではありません。


「プウウウウウウウウウウ~ッ、プウウウウウウウウウウウウウ~ッ」

「か、かんべんして……」

「ここにいたら何をされるか……」


 おしっここうげきとおならこうげきの前に、どうもうな犬たちは雪のつもった山道から草むらのおくへもどっていきます。


「またあちょぼう! またあちょぼう!」


 どうもうな犬があいてでも、小助はかわいいえがおで手をふっています。そんな小助の元に、かいじゅうたちがワン太をつれてやってきました。


「ぼうや、ケガはしなかったの?」

「てへへ、大じょうぶ! 大じょうぶ!」


 かいじゅうのお父さんとお母さんは、あいかわらず元気いっぱいの小助のすがたを見てすっかりあんしんしています。みんなのにぎやかなわらい声は、青くすみきった空に向かってひびきわたっています。

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