表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
白い雪とこおりで元気にあそぶ小助くん
217/343

フブキちゃんといっしょに大きな池の向こうへ

 小助とワン太は、フブキといっしょに雪でおおわれた家から外へ出てきました。あいかわらずのはげしい雪と風ですが、小助たちはようせいと同じようにとぶことができるので気にしていません。


「小助くん、どこへ行きたいの?」

「あっち! あっち!」


 フブキは、小助たちが行きたいばしょに向かって空中をとんでいます。とちゅうで見えてきたのは、こおりついたままのたきと大きな池です。


「わあ~っ! こおりだ! こおりだ!」


 大きな池がこおっているのを見て、小助は空中で大はしゃぎをしています。となりでとんでいるフブキも、小助のかわいくて元気なようすをじっと見つめています。


「小助くんは、どうしてすぐにえがおになれるの?」

「キャッキャッキャッ、キャッキャッとキャッ」


 フブキは、いろいろなものにきょうみをもちながらえがおを見せる小助をふしぎに思っています。


「ねえねえ、どこまで行くの?」

「あっち! あっち!」


 小助は、あいかわらず同じことばをフブキにくりかえしています。これから行こうとする先は、大きな池の向こうがわです。


「あっちへどうして行くの?」

「ケモチュケくん(ケモスケくん)! ケモチュケくん!」

「ケモチュケってだれのことなの?」

「かいじゅう! かいじゅう!」


 かいじゅうの子どもであるケモスケは、小助やワン太にとって大切な友だちです。小助たちは、かいじゅうたちがどうしているのかこの目で見たいと思っています。


 いつもなら池から上がって山道をすすむところですが、小助たちはフブキと同じようにすいすいと空中をとんでいます。


「あっ! ケモチュケくんだ!」


 小助とワン太は、風と雪がはげしい中で歩いているケモスケのすがたを見つけました。空中にいる小助たちは、ケモスケの後ろにとびながらついて行くことにしました。


 しかし、ケモスケは小助たちが後ろにいることに気づいていません。なぜなら、フブキのおまじないで小助とワン太はようせいのように小さくなっているからです。


 このようすを空中で見ているフブキは、すさまじい雪や風がしだいにおさまりつつあることに気づきました。それは、自分のすがたが小助たちの前からきえることになります。


「わっ!」


 後ろからの声に気づいたケモスケは、だれがいるのかすぐにふり向くことにしました。そこには、小助とワン太がつもった雪の上でうつぶせになっています。


「あれ? あれれ?」

「こちゅけくん(小助くん)、元にもどっちゃった」


 どうやら、小助たちへのおまじないがきえて元のすがたにもどったようです。そして、空のほうを見上げるとフブキのすがたがきえようとしています。


「ごめんね、ふぶきがおさまるとここからきえてしまうの……」

「フブキちゃん、またあちょぼう(あそぼう)! またあちょぼう!」

「ふぶきになったら、小助くんたちのところにまたくるからね」


 小助とワン太は、すがたがきえたフブキがいた空に向かって手をふっています。これを見ていたケモスケは、小助たちに近づいて話しかけてきました。


「ねえねえ、フブキちゃんってだれなの?」

「ふぶきのようせい! ふぶきのようせい!」


 ケモスケは、小助が言うふしぎなようせいがどんなものかを頭の中で思いおこしています。


 ようせいのすがたは、だれでもかんたんに見られるものではありません。それでも、ケモスケはこの目でようせいを見たいとねがっています。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ