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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
白い雪とこおりで元気にあそぶ小助くん
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みんなで作ったでっかい雪だるま

 小助は、雪かきでつみ上げられた小さい山をりょう手でおしています。あまりにも多い雪をうごかそうと、小助は声を上げながらすさまじい力を出しています。


「うんしょ! うんしょ!」


 山づみになった雪は、小助の手によって大きな雪玉となってころがしています。雪の上をころがすうちに、雪玉はさらに大きくなっていきます。


「わあ~っ! でっかい! でっかい!」


 その雪玉は、いつの間にか小助の体よりも大きいものになりました。あまりにもでっかい雪玉のすがたに、山べえもおどろきをかくせないようすです。


「こりゃあ、でっかい雪だるまになるなあ」

「雪だるま! 雪だるま!」


 小助は、小さな手でまるめた雪玉をころがしはじめました。雪玉を大きくしようと、小助は雪のつもったところをうごき回っています。


 雪だるまを楽しみにしているのは、山べえもワン太も同じです。その間も、小助は元気いっぱいに大きくなった雪玉をころがしつづけています。


「おっ! でっかい雪玉だなあ。そろそろ上のほうへのせようかな」

「うん!」


 小助は、山べえに手わたそうとでっかい雪玉を力いっぱいもち上げました。山べえのほうも、小助が作ってくれた雪玉をりょう手でうけとっています。


「わ~い! 雪だるまだ! 雪だるまだ!」

「まだでき上がりじゃないぞ。目とはなと口をつけたら雪だるまのでき上がりだ」


 山べえは、小助とワン太をつれてたきのあるところへ向かいました。たくさんの水がながれおちるたきですが、あまりにもさむいので大きなつららのようにすっかりこおっています。


 たきつぼの池のそばへくると、小助たちはふかい雪の中をりょう手で何かをさがしています。すると、小助は手のひらとほぼ同じくらいの大きさの石を見つけました。


「小助、これなら雪だるまの目にぴったりだぞ」

「雪だるま! 雪だるま!」


 山べえは、小助から手わたした大きな石を雪だるまの目になるように入れています。のこったはなと口は、山べえが木の細いえだを2つにおってから雪だるまに入れます。


「小助もワン太も、雪だるま作りがぜんぶおわったから見てごらん」

「わあ~っ! ちゅごい(すごい)! ちゅごい!」


 小助は、みんなで作ったでっかい雪だるまをじっとながめています。これだけの大きさの雪だるまを見るのは、小助が生まれてからはじめてのことです。


「ねえねえ! ねえねえ!」

「小助、どうしたの?」

「だっこ! だっこ! だっこ!」


 山べえは小助をだきかかえると、上のほうから雪だるまを見せることにしました。小助は、山べえにだっこされながら雪だるまのすがたをかわいいえがおでながめています。


「どうだ、上から見たらすごいだろ」

「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」

「そんなにうれしいなら、もっと上のほうから見せてあげようか」


 小助は、雪だるまを見ながらうれしそうにわらい声を上げています。このようすに、山べえは自分の顔と同じ高さまで小助をりょう手でもち上げました。


 その時、小助はあんよを上げながら元気いっぱいの音を鳴りひびかせました。


「プウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ~ッ」

「うっ!」


 小助のあまりにもくさいおならのにおいに、山べえは後ろのほうに思わずたおれこんでしまいました。小助もそのはずみで空中になげ出されましたが、雪の上へみごとにちゃくちしました。


「く、くさくてたまらない……」

「てへへ、いっぱい出ちゃった」


 おならをしても、小助がかわいいえがおを見せるのはいつも通りのことです。雪の上から体をおこした山べえは、いつも元気でこわいもの知らずの小助にすっかりまいっているようすです。

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