表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
秋のきせつと小助くん
207/343

コウロギさんといっしょに歌ったよ!

 森の中へやってきた小助とワン太は、いつものように子グマやちびっこオオカミとじゃれ合いながらあそんでいます。


「うんしょ! うんしょ!」


 小助は、子グマたちと大すきなおすもうあそびをしながら楽しんでいます。キャッキャッとかわいい声がひびきわたる中、草むらのほうからにぎやかな鳴き声が聞こえてきました。


「リィリィリィリィリィ、リィリィリィリィリィ」


 その鳴き声にさそわれるように、小助は草むらに向かって足をすすめています。これを見たほかのどうぶつたちも、小助のすすむほうへついて行こうとしています。


 草むらへ入ると、小助たちは鳴き声のもちぬしをさがそうとまわりを見回しています。すると、草の中から鳴きながら歌う声が小助たちの耳に入ってきました。小助たちがすぐにしゃがむと、草のまわりにはじめて見る虫たちがいることに気づきました。


 そんな時、後ろのほうからお母さんグマが子どもたちのようすを見ようと草むらへやってきました。これに気づいた小助は、お母さんグマに教えてもらおうと元気な声を上げました。


「ねえねえ! これなあに? これなあに?」

「これはねえ、コウロギという名前の虫だよ」

「コウロギさん! コウロギさん!」


 小助たちは、コウロギの鳴く声を聞こうと草むらの中でじっとしゃがんでいます。コウロギたちは、自分たちの鳴いているようすを子どもたちに聞かせようと今からはりきっています。


「リィリィリィリィリィ、リィリィリィリィリィリィリィ」


 子どもたちは、鳴き声を上げながら歌うコウロギたちのすがたをずっと見つづけています。これを見て、小助もコウロギになり切ろうと鳴きながら歌い出しました。


「リィリィリィリィ、リィリィリィリィ」

「ふふふ、ぼうやはコウロギといっしょに歌いたいのかな?」

「いっちょに(いっしょに)歌いたい! いっちょに歌いたい!」


 小助は、コウロギたちと合わせるように鳴き声を上げるように歌いつづけています。となりにいる子グマたちも、小助と同じようにコウロギの鳴く声をまねしています。


 コウロギと子どもたちがいっしょに歌うようすに、お母さんグマもほほえましそうに見つめています。


「みんな、楽しそうに歌っているわね」

「たのちい(楽しい)! たのちい!」


 そうするうちに、空の上にあった太ようがいつの間にか西のほうへ向かっていることにお母さんグマが気づきました。


「もうすぐしたらくらくなるから、そろそろ帰ろうね」


 クマのお母さんのことばを聞くと、小助たちはコウロギたちにおわかれのあいさつをしました。


「またあちょぼう(あそぼう)! またあちょぼう!」


 小助たちは、新しい友だちになったコウロギに手をふりながら草むらから森のほうへもどっていきました。コウロギたちも、子どもたちとふたたび会うことを楽しみにしながら歌声を鳴りひびかせています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ