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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
秋のきせつと小助くん
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秋のはじまりと赤とんぼ

 夏から秋へきせつがうつる中、小助はワン太とともに森の中へやってきました。森の中には、子グマたちやちびっこオオカミたちが小助たちがくるのをまっています。


「おちゅもう(おすもう)! おちゅもう!」


 小助は、さっそく子グマたちとじゃれ合いながらおすもうごっこをしています。オオカミの子どもたちも、小助とあそぼうとよこから入ってきました。


「よいしょ! よ~いしょ!」

「わっ、わわわわっ!」


 クマとオオカミの子どもたちは、小助の力強さの前にじめんの上につぎつぎとたおれこんでしまいました。


「あ~あ、まけちゃった」


 おすもうにかってもまけても、森の中ではいつもえがおでいっぱいです。子どもたちのようすは、少しはなれたところにいるお母さんグマとお母さんオオカミにもつたわっています。


「ふふふ、元気いっぱいにあそんでいるわね」


 にぎやかな子どもたちの声にさそわれるように、赤とんぼのむれが森の中をとび回っています。森の中であそんでいる小助たちも、赤とんぼをおいかけようとかけ出しました。


「わ~い! 赤とんぼ! 赤とんぼ!」


 小助たちは、赤とんぼが向かった先へ行こうと草木をかき分けながら川の見えるほうへすすんでいます。クマとオオカミのお母さんたちも、子どもたちの後をおうようについて行きます。


「あっち! あっち!」


 子どもたちは、川のそばへ出てくると赤とんぼが白い花や黄色い花の上に止まっているのを見つけました。赤とんぼがにげないように、小助たちは花のあるばしょへそっと近づくことにしました。


「わあ~っ! ちゅごい(すごい)!」


 小助は、川にそってならんでいる花の上にいる赤とんぼのすがたを見て大よろこびしています。どうぶつの子どもたちも、赤とんぼがどんなものなのか見ようとあつまってきました。


 そんな時、お母さんグマが子どもたちに話しかけようと後ろへやってきました。クマのお母さんは、小助たちといっしょに赤とんぼのようすを見ながら話しています。


「白い花や黄色い花の上に赤とんぼがたくさん止まっているわね」

「お花に赤とんぼ! お花に赤とんぼ!」


 小助たちが赤とんぼをかんさつしていると、お母さんオオカミもくわわってますますにぎやかになってきました。


 すると、今まで花の上にいた赤とんぼが小助たちからはなれるようにとび立ちました。小助たちは、赤とんぼのとんでいるほうへいそぎ足でおいかけています。


「赤とんぼ! 赤とんぼ!」


 子どもたちは、何とかして赤とんぼのむれを見ようと走りつづけています。しかし、赤とんぼたちは遠くのほうへすがたをけすようにとびさっていきました。


「赤とんぼ、向こうへ行っちゃったね」

「明日になれば、赤とんぼが花の上へまたあつまってくるから」


 赤とんぼを見るのは、ざんねんながら今日はここまでです。でも、明日になれば赤とんぼをまた見ることができます。


 小助とワン太は、赤とんぼを見るのを楽しみにしながらどうぶつたちといっしょに森の中へもどっていきました。

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