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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
夏は大ぼうけんのきせつ
199/343

大きなウミガメにのって海のたんけん

 すなはまにさざなみがうちよせる中、大きなウミガメは小助とワン太のために海のことをつたえようと口をひらきました。


「わしのせなかにのれば、海の中へもぐることができるぞ」

「おちゃかな(お魚)! おちゃかな!」

「はっはっは、海に入ればお魚もいっぱいいるぞ」


 小助とワン太は、海のことを話してくれる大きなウミガメのほうをじっと見つめています。川や池とはちがったお魚がいるかもしれないので、小助たちはますます楽しみになってきました。


「行きたい! 行きたい!」

「今から目をつぶって、しばらくしてから目をあけることじゃ。目をあけるのは、わしの合図があってからだぞ」


 大きなウミガメの声を聞くと、小助たちはさっそく目をつぶりました。その間、小助たちは海の中を楽しそうに思いうかべています。


 ふたたび目をあけると、小助とワン太の前にいるウミガメが自分たちよりも大きなすがたに見えることに気づきました。


「ウミガメさん、でっかい! ウミガメさん、でっかい!」

「わしが大きくなったのではなく、ぼうやたちが小さくなったのじゃ」


 小助たちは、ウミガメのせなかにまたがるようにのっています。ウミガメは、子どもたちがのっていることをたしかめると海へ向かってゆっくりすすみはじめました。


「わ~い! 海だ! 海だ!」

「ぼうやたち、まだはじまったばかりじゃ。海へもぐったら、いろんなお魚を見ることができるぞ」

「おちゃかな! おちゃかな!」

「まわりを見てごらん。お魚がいっぱいおよいでいるぞ」


 海の中をすすむウミガメのまわりには、ヒラメやキジハタといったさまざまなお魚がおよぎ回っています。小助は、山おくの池やたきでは見たことのないお魚たちを見て大はしゃぎしています。


「おちゃかな! おちゃかな!」

「はっはっは、ぼうやたちはお魚がおよいでいるのを見るのが楽しいんだね」

「うん! たのちい(楽しい)! たのちい!」


 小助たちは、海の中にうかぶいろいろなものをながめています。そんな時、海のそこから生えている草みたいなものを見つけました。


「あれなあに? あれなあに?」

「これはねえ、海草というものだぞ。海の草と書いて海草と読むのじゃ」

「わあ~っ! ウミガメさんいっぱい! ウミガメさんいっぱい!」


 海の中をすすむたんけんはまだまだつづきます。小助たちは、ウミガメの子どもたちが海草を食べながらすすんでいるようすをながめています。


「これから長い道のりをすすむためには、いろいろなものを何でも食べるのが大切じゃ」


 大きなウミガメは、せなかにのっている小助とワン太に海のことをやさしいことばで教えています。小助たちも、青い海で生きものたちがどんなことをしているかを自分の目でじっとたしかめています。


「さあ、ウミガメの子どもたちとそろそろおわかれしようかな」

「ウミガメさん、またあちょぼう(またあそぼう)! またあちょぼう!」

「ぼうやたち、すなはまへもどるぞ」


 大きなウミガメは、すなはまのほうへもどるために向きをかえようとしています。小助は、ウミガメの子どもたちがしまへもどってくることをねがいながら手をふっています。

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