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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
夏は大ぼうけんのきせつ
189/343

みんなであそんだら楽しいね

 小助とワン太は、森の中の山道をかけ上がるようにすすんでいます。お母さん犬は、後ろからついて行きながら子どもたちをよび止めようとしています。


「そんなにいそいだら、ケガをしてしまうよ」


 しかし、小助たちはお母さん犬のよびかけがあってもその場で立ち止まろうとはしません。なぜなら、この先へすすめばかいじゅうの子どもに会うことができるからです。


 そんな時、小助たちの耳に聞きおぼえのある音が入ってきました。その音は、山道をすすむほど大きくなっていきます。


「ケモチュケ(ケモスケ)くん! ケモチュケくん!」


 小助は、遠くにいるケモスケのすがたを見ようとかけ足でいっしょうけんめいに走っています。これに気づいたケモスケも、小助のほうへドシンドシンとすすんでいます。


「ケモチュケくん! ケモチュケくん! ケモチュケくん!」

「小助くん、またあそびにきてくれてとてもうれしいよ」


 ケモスケは、自分にとびついてきた小助をやさしくだきしめています。すると、小助はケモスケの足音をまねようと元気な声を出しました。


「ドシンドシンドシン! ドシンドシンドシン!」

「もしかして、ぼくの足音なのかな?」

「うん!」


 小助は、じめんの上に立つとその場でケモスケにかわいい声でよびかけています。


「足ぶみちよう(しよう)! 足ぶみちよう!」

「ぼくみたいに、ドシンドシンと歩きたいんだね」

「うん! ドシンドシン! ドシンドシン!」


 足ぶみしながら元気よく声を上げる小助のすがたに、ケモスケも自分でお手本を見せようとじめんをふみしめています。


「ドシンドシン! ドシンドシンドシン!」

「わあ~っ! ちゅごい(すごい)! ちゅごい!」


 どんなに小助がまねしても、ケモスケの足ぶみをするときの大きな足音にはかないません。


 小助とケモスケがいっしょに足ぶみしていると、ワン太がお母さん犬といっしょにやってきました。ワン太は、ケモスケの右足にしがみついたままはなれようとはしません。


「いっちょにあちょびたい(いっしょにあそびたい)!」

「ワン太くん、何をしてあそぼうかな?」

「せなかにのりたい! のりたい!」


 ケモスケは、ワン太のおねだりにす少しとまどっています。すると、小助は4本足になってワン太のそばへきました。


「ちぇなか(せなか)! ちぇなか!」


 小助のかわいい声につられながら、ワン太は小助のせなかにのりました。ワン太は、小助が4本足でケモスケのまわりをうごいたり回ったりくれるので大よろこびです。


「小助くん、こうすればいいの?」

「うん!」


 こんどは、ケモスケがワン太をのせて4本足で歩きます。ワン太をよろこばせようと、ケモスケは前へ行ったり後ろへ行ったりしながらうごいています。


「ワンワンッ! ワンワンワンッ!」


 小助とケモスケは、いつもわらってくれるワン太のすがたを見るのがとてもうれしそうです。


「ふふふ、楽しそうにあそんでいるわね」

「やっぱり、子どもたちはいつも元気なのが一番だな」


 子どもたちがいっしょにあそぶようすは、かいじゅうのお父さんやお母さんにもつたわっています。

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