田んぼでみんなとあそんだよ!
小助は、子グマやちびっこオオカミといっしょに森の中から出てきました。いっせいに向かうその先には、水をはった田んぼがあります。
「わ~い! どろんこ! どろんこ!」
田んぼにたどりつくと、小助はその中へいきおいよくとびこみました。後ろからは、どうぶつの子どもたちがつぎつぎと田んぼへ入っていきます。
そんな子どもたちのようすを見ようと、小助のお母さんがやってきました。すぐ近くには、お母さんグマとお母さんオオカミのすがたがあります。
「ふふふ、あいかわらず元気いっぱいだね」
小助たちは、田んぼでみるみるうちにどろんこだらけになりました。どろんこになってもへいきな小助は、子グマたちとどろんこずもうをしはじめました。
「うんしょ! うんしょ!」
「うぐぐぐぐっ……。う、うわわっ!」
子グマたちは、2ひきで小助をあいてにおすもうをとっています。しかし、小助の力強さの前にあっけなくしりもちをついてしまいました。
「あ~あ、まけちゃった」
クマの子どもたちは、おすもうにまけてちょっとくやしそうです。
そんな時、小助はしゃがんでいっしょうけんめいにふんばりながら声を出しつづけています。
「うんっ! うんっ! うううう~んっ!」
さいごの一声を上げたとたん、小助の顔つきはいつもの明るいえがおにもどりました。すぐに立ち上がった小助は、田んぼのそばで見ているお母さんに向かって大きな声お出しています。
「かあちゃ! かあちゃ!」
「小助くん、どうしたの?」
「こっち見て! こっち見て!」
小助のお母さんが田んぼのほうを見ると、そこには「小」の形になっている3本のでっかいうんこがあります。よく見ると、それは黄色くて元気いっぱいの長いうんこです。
「ここにならんでいるうんこは小助くんの名前かな?」
「うん! こちゅけ(小助)! こちゅけ!」
「ふふふ、小助くんらしい元気な色をしたうんこだね」
お母さんは、うんこで自分の名前をえがいた小助にやさしい声をかけています。そして、お母さんは田んぼで自らもった木ぐわをつかって小助のうんこをたがやしています。
「こうすれば、田うえをしたなえがそだって、秋になるとおいしいお米ができるよ」
小助は、田んぼをたがやすお母さんのお話をじっと聞いています。まわりであそんでいた子グマやちびっこオオカミも、小助のお母さんのまわりにあつまってきました。
田んぼには、いろいろな生きものがいます。水のはったところには、カエルたちが歌うように鳴きつづけています。
「わあ~っ! カエルちゃん! カエルちゃん!」
小助は、カエルたちがいるところでケロケロと鳴きながらいっしょに歌っています。ほかのどうぶつたちも、小助とカエルになりきって鳴き声を上げています。
「カエルたちと楽しそうに歌っているわね」
「子どもたちの鳴き声が上手だわ」
にぎやかな子どもたちのかわいい歌声は、青空のほうに向かって元気よくひびきわたっています。




