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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
春のきせつは楽しさいっぱい
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みんなで知らないところへたんけん(その2)

 とちゅうで一休みした小助たちは、ふたたび草のしげみの中をすすもうとうごき出しました。オオカミたちを先頭にしながら、ほかのどうぶつたちもその後をついて行こうと歩きつづけています。


 そんな時、小助たちの耳にお父さんオオカミからのさけび声が入ってきました。


「たいへんだ! 向こうから火の手が上がっているぞ!」


 小助がオオカミたちのいるところへ行くと、すこし先の草むらに火がもえ上がっているのが目に入りました。


「早くにげろ! 火につつまれたらしんでしまうぞ!」


 お父さんオオカミは、その場からうごこうとしない小助になんども声を上げています。しかし、そのさけび声は小助の耳に入っていません。


「うんしょ、うんしょ」


 小助は、モジモジしながらはらがけの下をりょう手でおさえています。そして、もえ広がる草むらの手前まできたその時のことです。


「ジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョ~ッ」


 ガマンしていた小助のおしっこは、もえつづける火に向かっていきおいよくめいちゅうさせています。すこしずつ火の手がおさまっているのを見て、小助は元気いっぱいにおしっこを出しつづけています。


「ジョジョジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」


 小助のおしっこがいっぱい出ているのは、どうぶつのおっぱいをたくさんのみつづけたおかげです。そうするうちに、草むらにもえ広がった火はすべてけしおえることができました。


「おしっこで火をけしたの?」

「ぼうや、おしっこで火をけすことができたね」

「おちっこ(おしっこ)出た! おちっこ出た!」


 どうぶつたちは、小助がおしっこで火けしをしてくれたこともあってホッとひといきついています。


 ふたたびあるき出してしげみの中をすすむと、遠くの先に明るい光らしきものが見えてきました。オオカミたちは、この先にどんなものがあるのか知っているようです。


「ねえねえ! ねえねえ!」

「どうしたの?」

「あっち! あっち!」

「行ってみたらわかるよ。さあ、ついておいで」


 小助は、オオカミたちのいうそのばしょに何があるのか今から楽しみにしています。ほかのどうぶつたちも、これから行くところを見ようといっしょについていきます。


 すると、小助たちの目に大きなたきが目に入りました。そのばしょへ行こうと、小助はすぐにかけ足で走り出しました。


 草のしげみを出ると、小助はたきつぼの池の中へいきおいよくとびこみました。さっそく、小助は池のふかいところへもぐったりしながら楽しそうにあそんでいます。


「やれやれ、元気すぎるのもこまりものだぜ」

「でも、子どもならやっぱり元気いっぱいなのがいいわ」


 池の中から顔を出した小助のすがたに、どうぶつたちもそのようすをじっと見つめています。小助のかわいいえがおは、森のなかまたちのほうへつたわっているようです。

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