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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
春のきせつは楽しさいっぱい
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みんなで知らないところへたんけん(その1)

 森の中では、いつものように小助があそびにやってきました。ワン太も、お母さん犬といっしょに小助の後ろからついていきます。


 小助の目の前には、子グマたちやちびっこオオカミたちが同じところにあつまっています。そこには、子どもたちを見まもるお母さんグマやお母さんオオカミもいます。


「ぼうや、こっちへ行きたいのかな?」

「うん! こっち! こっち!」


 これから行くばしょは、右がわの草むらを通って大きなたきや池へ行くわけではありません。小助が入ろうとしているのは、左がわの草むらの中です。


 すると、ワン太がお母さん犬からはなれて小助のそばへきました。


「こちゅけくんといっちょ(小助くんといっしょ)! いっちょ!」

「いつもいっちょ! いつもいっちょ!」


 かわいい小助とワン太のすがたに、お母さんたちも他のどうぶつたちといっしょについていくことにしました。


 さっそく、オオカミたちは手なれたようすで草むらの中へつぎつぎと入りました。なぜなら、オオカミたちは、いつもえものをつかまえるためにさまざまなところをすすんだりするからです。


「ここからはぐれないように気をつけてね」


 どうぶつのお母さんたちは、子どもたちがまいごにならないかしんぱいしています。まいごになったら、自分たちよりもおそろしいけものにおそわれるかもしれないからです。


 小助は、どうぶつの子どもたちといっしょに草むらからおくへどんどん歩きつづけています。おいしげった草をかき分けながら、小助たちはオオカミの後ろをついて行くようにすすんでいます。


「ねえねえ、どこまで行くの?」

「この先のほうへ行けば、広いところへ出るかもしれないわ」


 ここを通るのは、オオカミたちをのぞいたどうぶつたちにとってはじめてのことです。子グマたちは、どこまで行けばいいのかすこしふあんになってきました。


「お~い! こっちへくると青空が見えるぞ」


 お父さんオオカミの声が耳に入ると、小助たちは草むらをすすみながらそのばしょへ向かいました。そこは、草木にかこまれた中で大空を見上げることができます。


 そのばしょへたどりつくと、森の中のたんけんを一休みすることにしました。その間、子どもたちはお母さんにいつものおねだりをしようと元気な声を上げています。


「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、しょうがないわね。さあ、こっちへおいで」


 お母さんグマは、自分のほうへだきついた小助と子グマたちにおっぱいをあたえることにしました。おっぱいをのみつづける小助たちのすがたに、お母さんグマはやさしいえがおで見つめています。


 同じように、ちびっこオオカミたちはお母さんオオカミの、ワン太はお母さん犬のおっぱいをそれぞれのんでいます。小さな子どもたちにとって、おっぱいをのむことは大きくなるためにも大切なことです。


 しばらくすると、どうぶつの子どもたちはおっぱいをのみおえてからその場でおひるねをしはじめました。そんな中、小助はお母さんオオカミのそばへやってきました。


「おっぱい! おっぱい!」

「あらあら、おっぱいをまだのみたいのかな?」

「うん!」


 この後も、小助はお母さんオオカミとお母さん犬のおっぱいをたくさんのみつづけました。小助がはらがけ1まいでいつも元気いっぱいなのは、どうぶつのおっぱいをのんでいるおかげです。

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